(※写真はイメージです/PIXTA)
夫の不満と義母の本音
ところが、その日の夜、仕事から帰宅した夫の様子は少し険しいものでした。
夫は義母から「今回は来ないことになった」と連絡を受けたらしく、納得がいかない表情でユリさんに問い詰めます。
「母さんたちが楽しみにしてたのに、なんで俺に一言も相談なしに勝手に断っちゃうの? すごく残念そうだったよ。せっかく予算もスケジュールも立ててたのに……」
妻としては「子どもの気持ちの尊重」と「義両親の無駄な費用の回避」を考えた判断のつもりでした。しかし夫にしてみれば、「両親が楽しみにしていた実家への帰省予定を、相談もなく取りやめにされた」という不満が残ったようです。
「3万円払って不機嫌な孫を送り出す意味はある?」
なぜ、ユリさんは義母に連絡する前に夫に相談しなかったのでしょうか。そこには家庭内の空気感の違いがありました。
子どもが「行きたくない」と打ち明けたのは、母親であるユリさんにだけでした。子ども自身、「お父さんにいったら『一度決めたんだから行きなさい』といわれる」と感じていたからでしょう。
もし事前に夫に相談していれば、息子は説得されて乗り気でないまま義実家へ行くことになっていたかもしれません。
数万円の交通費をかけ、義父母にも準備をしてもらっても、当の孫が終始つまらなさそうにしていれば、結果として義父母にも余計な気を遣わせてしまいます。ユリさんはそうした気まずい状況を避けたくて、先回りして動いたのでした。
形だけの帰省よりも、お互いが納得できる過ごし方を
今回の件で、ユリさんは帰省に対する夫婦の感覚の違いを実感したといいます。帰省には、交通費や準備の手間など、具体的な負担が伴います。だからこそ、行く側も迎える側も気持ちよく過ごせることが大切です。
直前になって義父母に買い出しの無駄をさせないよう配慮し、息子のいまの気持ちを尊重したユリさんの判断は、非常に現実的なものでした。
「約束通り帰省させることが親孝行」と考える夫と、「実質的な負担や子どもの本音」を優先したい妻。帰省という身近なイベントを通して、家族の優先順位やお金・手間の捉え方の違いが浮き彫りになった出来事でした。とはいえ、義両親の年齢を考えると、いましかできないことを息子に丁寧に説明してあげるのも、親の務めなのかもしれません。
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