会社を休職した場合、「業務外の理由による病気やケガの療養」「労務不能」「連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいる」「休業した期間について給与の支払いがない」という4つの条件を満たしていれば、傷病手当金として給与の約3分の2が支給されます。傷病手当金は休職中の生活を支えてくれる心強い制度ですが、初回の申請から振込までには2か月近くかかることがあります。では、傷病手当金が振り込まれるまでの生活資金が足りない場合はどうすればよいのでしょうか。会社を休職中のユキヒロさん(仮名・26歳)の事例を見ていきましょう。
「会社にも行けない。月8万円の家賃も払えない…」東京23区一人暮らし26歳男性、2か月後に傷病手当金が振り込まれるまで<全財産28万円での生活> (※写真はイメージです/PIXTA)

2か月を乗り越えるための「緊急つなぎ資金」

「傷病手当金が振り込まれるまでの間、何とか生活をつなぎたい」。ユキヒロさんのように目先の生活資金を必要とする人のための制度が、「生活福祉資金貸付制度」です。

 

生活福祉資金貸付制度とは、生活に困っている人に向けて、社会福祉協議会が資金の貸し付け相談や支援を行う制度です(出典:政府広報オンライン「生活にお困りで一時的に資金が必要なかたへ『生活福祉資金貸付制度』があります。」)。

 

生活福祉資金には、「総合支援資金」「福祉資金」「教育支援資金」といったいくつかの種類があります。ユキヒロさんが利用できるのは、福祉資金に含まれる「緊急小口資金」です。緊急小口資金は、緊急かつ一時的に生活の維持が困難になった場合に少額の費用を借りられる制度です。ユキヒロさんは休職によって「緊急かつ一時的に生活の維持が困難になった」人に該当するため、緊急小口金を借りることができます。

 

厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧(※新型コロナウイルス感染症の特例貸付の内容ではありません)」によると、緊急小口資金の貸付限度額は10万円以内。貸付けの日から2か月は返済が免除されます。返済期限(償還期限)は、2か月の免除期間が経過したあとから12か月以内で、借りるための利子は発生しません。

 

申請から貸付決定までの期間は地方自治体によって変わりますが、東京都の場合は最短でも5営業日かかります(出典:東京都福祉局「緊急小口資金のご案内」)。自分が住んでいる地域の審査期間が知りたい場合は、役所の福祉窓口に相談することをおすすめします。

 

「自分一人でどうにかしなければ……」と抱え込む前に、気軽に相談できる場所があることを知っておくだけでも、もしものときに落ち着いて対策を打つことができます