(※写真はイメージです/PIXTA)
終わらない課金ゲームの末路
すでに達也さんの独身時代からの貯蓄300万円は底をつきました。現在は、美紀さんの実家から「教育資金の援助」として補填を受けている状態です。しかし、それも限界が近づいています。
中学受験はよく「親の課金ゲーム」と揶揄されます。オプション講座を提案されるたびに、断れば子どもの合格率が下がるのではないかという脅迫観念に駆られます。結果として、必要性の薄い教材や個別指導の追加コマにまで、言われるがままお金を投じることになりました。
東京都教育委員会『令和7年度公立学校統計調査報告書』によると、都内の小学校卒業者は、合計9万8,264人。うち私立中学校に進学したのは1万9,655人です。東京都では5人に1人が地元中学校ではなく、私立中学に進学していることになります。
さらに東京23区のうち、最も私立中学進学率が高い文京区では、約半数の児童が都内私立中学に進学しています。同区で受験を経て国公立に進学した児童なども合わせると、もはや中学受験をしないほうが少数派。「受験をするのが当たり前」という同調圧力を感じる人もいるでしょう。
中学受験に向けて必死な高橋さん夫婦。仮にこのまま志望する私立中学校に合格できたとしても、年間約100万円におよぶ学費の支払いが6年間待ち受けています。大学進学まで含めれば、教育費の負担はさらに増大しかねません。夫婦の老後資金の貯蓄は、現在完全にストップしたままです。
「もう後戻りはできないんです。絶対合格させないといけない。何のためにこんな生活をしているのかといえば、子どものため。少しでも上位校に合格できれば、それだけ人生、楽になるんですから……」
崩壊寸前の家計を抱えたまま、受験本番まであと200日ほどに迫っています。