AI半導体事業を展開する「エヌビディア」は、AIの学習分野で圧倒的な覇権を握り、「利益率60%」という驚異的な数字を叩き出しています。この高収益の裏には、“ある独自のビジネスモデル”が存在します。『借金1000万円から億り人 じゃない方芸人の大逆転投資術』(KADOKAWA)の著者で、「山下本気うどん」を創業したオモロー山下氏は、自身の過酷な飲食店経営の経験から、その強みの本質を一瞬で理解できたといいます。同書より、山下氏が唸ったエヌビディアのカラクリを詳しくみていきましょう。
「山下本気うどん」創業者の“じゃない方”芸人が見抜いた、「利益率60%」を生むエヌビディアの〈圧倒的な強み〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

ライバル企業を絶望させる、エヌビディアの強力な「囲い込み」

エヌビディアにはもう一つ、ライバルを絶望させるほどの強みがあります。それが「CUDA(クーダ)」というソフトウェアです。

 

GPUというのは、あくまでハードウェア、つまり「機械」です。この機械に「こういう計算をしてくれ」と指示を出すためには、機械が理解できる言葉で命令を書かなければなりません。CUDAは、まさにその「エヌビディアのGPUと会話するための共通言語」のようなものです。

 

今世界中のAI開発者たちは、このCUDAを使ってプログラムを書いています。大学の授業でもCUDAを教わり、ネット上のAI関連の教材やサンプルコードもほとんどがCUDA前提で作られている。つまり、AI開発の世界では「CUDAが話せて当たり前」という状態がもうできあがっているんです。

 

ここで、エヌビディアのライバル企業のAMDという会社の立場を考えてみましょう。AMDも性能面では決して悪くないGPUを作っています。ところがAMDのGPUではCUDAが使えません。AMDのGPUに命令を出すには、まったく別の言語を一から覚えて、プログラムもゼロから書き直す必要があるのです。

 

そうなると、プログラマーたちはどう思うか。「えー、今さら別の言語を覚えるの面倒くさいな。今までどおりエヌビディアでいいや」ってなりますよね。

 

これは、iPhoneユーザーがアンドロイドに乗り換えるのを避けるのとまったく同じ構造です。写真も、アプリも、操作の慣れも、全部iPhoneの中にある。性能だけ見ればアンドロイドも悪くないのに、「移行が面倒」というだけで乗り換えられない。こうした「一度使い始めると、面倒くさくて他社に乗り換えられなくなる」仕組みを、ビジネスの世界では「ロックイン(囲い込み)」と呼ぶそうです。

 

エヌビディアはGPUという機械だけでなく、CUDAという言語で開発者をがっちり囲い込んでいる。これが、単なる半導体メーカーとは次元の違う、エヌビディア最大の強みなんです。