総務省の調査によれば、全国の移住相談窓口での相談件数は年間約43.4万件(令和6年度)と過去最多を記録しました。一方で、見知らぬ土地に退職金などの老後資金をつぎ込み、環境の変化に適応できず後悔するシニアも少なくありません。本記事では、都会の猛暑を逃れ、退職金から「400万円の中古山荘」を購入して移住した65歳男性の事例を紹介します。老後不安を抱えることなく、地方移住に満足している「もう一つの理由」とは。
「東京の猛暑にはうんざりです…」退職金1,800万円・65歳元サラリーマン、〈築40年・中古山荘〉を400万円で購入。地方移住を満喫できている「避暑以外の理由」 (※写真はイメージです/PIXTA)

充実した周辺インフラと冬の寒さ対策…地方移住に満足している「もう一つの理由」

安価な中古物件とはいえ、ヒデキさんが選んだのは昔から人気のある別荘地です。そのため、周辺のインフラは想像以上に整っていました。

 

「車を少し走らせれば大型スーパーや総合病院、市役所の出張所まで一通り揃っています。公共交通機関もあるので、いざというときも安心です。移住前に抱いていた不便なイメージとは全然違いました」

 

もちろん、標高の高いエリアならではの苦労もあります。冬になれば厳しい寒さが訪れ、雪が積もる日も少なくありません。しかし、事前にお金をかけて家の断熱対策をしっかり行って暖房を効かせているため、室内は快適に過ごせているといいます。外の厳しい寒さについても、「空気が澄み切った冬の夜空の美しさは、都会では絶対に味わえない感動です」と、ヒデキさんはそれすらも楽しんでいる様子です。

 

ヒデキさんは都会の夏を避けながら、涼しくて過ごしやすい高原の冬を満喫する日々を送っています。

 

「夏が涼しいことには大満足ですが、今の生活を心から楽しめている理由は、実はもう一つあるんです」

 

退職金で高額な別荘を買い、環境の変化に適応できず後悔してしまうシニアも少なくありません。そんななか、あえて格安の中古山荘を選び、元の自宅を賃貸に出すことで経済的な基盤を整えたヒデキさんの決断。

 

もし地方での暮らしに限界を感じたり、健康上の理由で維持が難しくなったりすれば、いつでも都会に戻ればいいだけという「逃げ道」が用意されています。この金銭的・精神的な余裕を持てたことこそが、ヒデキさんが地方移住に満足している最大の理由といえるでしょう。

 

[参考資料]

総務省「移住相談窓口等において受け付けた相談件数(令和6年)」

内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」

 

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