総務省の「消費者物価指数(令和8年5月分)」によると、「食料」は前年同月比3.5%の上昇率を記録しています。こうした状況では節約が欠かせませんが、終わりの見えない値上げラッシュのなかで「節約疲れ」に陥る高齢者も少なくないようです。夫と死別し、一人暮らしで生活するヨシコさん(仮名・75歳)も、その「節約疲れ」に苦しむ一人です。事例を通して、高齢者が直面する物価高の影響をみていきます。
「もう疲れました…」年金月11万円・75歳女性、物価高でも「安いスーパー」より「高いコンビニ」に通う〈切実な理由〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

コンビニで「楽」を手にするも…減っていく資産と募る自己嫌悪

家のすぐ近くにあるコンビニでの買い物は、重い荷物を持って歩く距離も短く、体力的にはとても楽になりました。しかし、食パンと牛乳、小さな惣菜だけで、レジでの支払い額はスーパーの2倍近くになります。「もう節約しても意味がない」という投げやりな心境で始めたコンビニ通い。口座残高が減っていくのを見るたびに、ヨシコさんは気が重くなります。

 

「またこんなに無駄遣いしてしまったと情けなくなります。でも、重い荷物を持って、あの坂道を上って帰ってくる体力は、もう私には残っていないんです……」

 

少しでも安く抑えるためにスーパーをハシゴすることが、ヨシコさんにとって生活の張り合いでもありました。しかし、体力の低下には抗うことができません。

 

かつてはチラシを見ながら献立を考え、スーパーを回るルートを考えるなど楽しみのひとつだったヨシコさんの買い物の時間は、いまではただ「少しでも歩かずに済ませるための苦痛な散歩」へと変わってしまいました。超高齢社会と物価高が重なる現代において、気力と体力を奪われた高齢者の「節約疲れ」は、決して見過ごせない問題となっています。

 

[参考資料]

総務省「消費者物価指数(令和8年5月分)」

内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」

 

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