共働き世帯の増加に伴い、親世代による家事や育児のサポートを受ける家庭が増えています。一方で、善意の支援が家族間の負担やストレスにつながるケースも少なくありません。本記事では、頻繁に訪問する義母との関係に悩んだある会社員男性の事例を通して、家族間の「距離感」の難しさについてみていきます。
お願い、もう来ないで…〈年収680万円〉35歳サラリーマン夫、「おでん、作りすぎちゃって」と平日週5でやってくる義母の奇襲に限界 (※写真はイメージです/PIXTA)

「今日はおばあちゃん来ないよね?」息子の一言で気づいたこと

一方で、支援と干渉の境界線は家庭ごとに異なります。受ける側が負担を感じても、「助けてもらっている立場だから」と言い出せないケースもあります。佐藤さんもその一人でした。

 

転機となったのは長男の一言でした。ある週末、家族で出かける準備をしているときのことです。長男が「今日はおばあちゃん来ないよね?」と口にし、続けて「たまには3人だけで遊びたい」と言ったのです。

 

「息子も、私と同じ思いを抱いていた……」と気づいたそうです。その日の夜、佐藤さんは妻に話を切り出しました。

 

「お義母さんには感謝している。でも、家族だけの時間も大切にしたい」

 

妻は最初、戸惑ったそうです。しかし話し合いを重ねるうちに理解を示してくれました。そして後日、妻から義母に伝えてもらいました。

 

「来てくれるのはうれしいけど、来る前に連絡をもらえるかな」

「仕事のない週末は、家族だけの時間を大切にしたいの」

 

そうお願いしたのです。義母は少し寂しそうな表情を見せたものの、「迷惑をかけていたならごめんね」と受け入れてくれました。それ以来、突然の訪問はなくなりました。今でも月に数回は夕食のおかずを持ってきてくれるそうですが、必ず事前に連絡があります。これにより、家族だけで過ごす時間も確保できるようになりました。

 

「もっと早く話せばよかったと思います」と佐藤さん。今では「お義母さんの唐揚げが食べたい」などと、リクエストすることもあるそうです。

 

前出の調査によると、別居する妻の母が「60分未満」の距離に住む割合は59.3%に上ります。親と近居し家事育児のサポートを得やすい環境がある半面、近さゆえの干渉が負担となるケースも少なくありません。支援への感謝を示しつつ、家族の境界線を引く対話が適切な距離感を保つ鍵といえそうです。