(※写真はイメージです/PIXTA)
27年の歳月で、少しずつ目減りしていった貯蓄
ともに87歳のマサノリさんとカオルさん夫婦は、毎月24万円の公的年金を受給しながら、27年間にわたる長いリタイア生活を送ってきました。
マサノリさんが60歳で現役を退いた当時、夫婦の懐事情には十分な余裕がありました。退職金と現役時代の貯蓄を合わせれば、これからの老後を不自由なく暮らせるだけの資金が手元にあったのです。日々の食費や光熱費などの生活費は、夫婦合わせて月24万円の年金のなかでほぼ賄えていました。しかし、27年という長い歳月が流れるあいだには、想定外の出費も重なります。
◎自宅の老朽化に伴う外壁や水回りのリフォーム費用
◎年齢を重ねるごとに増えていった夫婦の医療費
◎子どもや孫たちの節目ごとに包んできたお祝い金
「子どもや孫には、できる限りのことをしてやりたい」という夫婦の強い思いもあり、その都度、まとまった金額を貯蓄から取り崩してきました。そのため、かつては盤石だった老後資金も、ここ数年は目に見えて減少傾向に。
予期せぬ「4人の孫」の結婚ラッシュという誤算
マサノリさん夫婦には二人の娘がおり、それぞれに成人した子ども(夫婦からみた孫)がいます。長女には現在37歳になる一人息子がおり、次女には23歳・26歳、そして一番上の28歳の娘と、合わせて3人の姉妹がいます。夫婦にとって、孫は全部で4人。幼いころから全員を平等に可愛がってきたのです。
2年前から、次女の4人姉妹たちの結婚ラッシュが始まりました。23歳の三女の結婚に始まり、28歳の長女と26歳の次女が同年に結婚。トントン拍子に式を挙げていったのです。マサノリさんはこれまでどおり、「みんな平等に」と、新生活の援助も含めたお祝い金をその都度、笑顔で包み続けました。
3人の孫娘たちの門出を見届け、貯蓄はかなり細くなっていましたが、マサノリさん夫婦はどこか安心していました。なぜなら、長女の一人息子(37歳)は長年独身で、本人も「俺は結婚願望がないから」と公言していたため、これ以上の大きな出費はもうないだろうと高を括っていたからです。
しかし、事態は急変します。その一人息子から「急だけど結婚する」と、突然の報告が。聞けば、付き合っている女性の妊娠がわかったようです。