(※写真はイメージです/PIXTA)

人口減少基調にある日本。人口が集中する首都圏においても例外ではありません。そのようななか、今後、どこが投資エリアとして有望なのでしょうか。不動産投資の検討において重要な要素のひとつ「人口」と、その背景にある「街の定住性」に注目をして考察していきます。今回注目するのは、単身者層から圧倒的な支持を集める東武東上線の主要駅「志木」駅です。

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都心への軽快なアクセスと武蔵野の自然が融合する街

埼玉県南西部に位置する「志木」駅は、東武鉄道東上本線(東武東上線)が乗り入れる、都心への圧倒的なアクセスの良さと優れた生活利便性を両立したエリアです。駅の敷地は新座市東北に位置し、志木市や朝霞市とも隣接する境界にあります。東武鉄道の発表によると、1日平均乗降人員は約9万4,000人。同路線内でもトップクラスを誇る、活気あふれる主要ターミナル駅として機能しています。

 

最大の強みは、主要ビジネス街への卓越したアクセス力です。東武東上線の急行や川越特急の停車駅であり、「池袋」駅までわずか約20分でダイレクトに結ばれます。さらに、東京メトロ有楽町線・副都心線、東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線との相互直通運転を行っているため、「新宿三丁目」駅へ約30分、「渋谷」駅へ約35分、「有楽町」駅へ約45分と、都心の主要エリアへ乗り換えなしでスムーズにアクセス可能です。この交通網の利便性は、都心へ通勤する会社員や通学する学生にとって極めて大きな魅力となっています。

 

駅周辺は、充実した商業環境が整っており、日常生活を快適にサポートします。駅直結の利便性の高い商業施設「EQUiA(エキア)志木」をはじめ、駅前には「マルイファミリー志木」や複数の大型スーパー、ドラッグストアが揃い、仕事帰りの買い物にも困りません。深夜まで営業している飲食店や利便性の高い施設が集積しているため、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する一人暮らしの若者にとっても理想的な住環境が形成されています。

 

また、志木駅周辺は「学園都市」としての顔も持っています。駅の至近には「立教大学新座キャンパス」や「慶應義塾志木高等学校」などの有名校が立地し、周辺一帯は年間を通じて多くの若者が行き交います。こうした学生街としての特性は、単身者向けの賃貸需要を長期にわたって底堅く維持し続ける大きなアドバンテージとなっています。

 

都会的な利便性を享受できる一方で、武蔵野の面影を色濃く残す豊かな自然環境が身近にあることも、志木エリアならではの魅力です。駅から少し歩けば、穏やかな空気が流れる閑静な住宅街が広がり、近くを流れる「柳瀬川」沿いには、美しい桜並木が続く遊歩道が整備されています。また、水辺の憩いの場として親しまれている「いろは親水公園」など、気軽に自然と触れ合えるスポットが点在し、都市の喧騒を忘れさせてくれる安らぎの空間を提供してくれます。

 

交通の利便性は鉄道だけにとどまりません。駅前からは周辺の住宅街や西武池袋線沿線方面へ向かうバス路線が豊富に発着しており、多方面への移動がスムーズです。

 

志木駅周辺は、洗練された駅前の利便性と、活気ある学園都市のポテンシャル、そして四季を感じられる豊かな自然が見事に調和しています。高い居住満足度を誇るこのエリアは、今後も単身者をはじめとする多くの現役世代に選ばれ続ける、将来性に満ちた有望な地域といえるでしょう。

安定した人口基盤と「単身世帯」の旺盛な需要

優れた住環境と利便性を誇る「志木」駅周辺。では、不動産投資、特に単身者向けアパートの投資エリアとしての実力はどうなのでしょうか。実際のデータから、その高いポテンシャルを紐解いていきます。

 

志木駅の周辺は志木市、新座市、朝霞市の3市が入り組むエリアですが、中心となる志木市の総人口は約7万6,252人(2026年5月時点)と、近年も安定した推移を維持しています。

 

全国的に少子高齢化や人口減少が叫ばれるなかにあっても、志木駅周辺が活気を保ち続けている背景には、「生産年齢人口(15〜64歳)」の割合が約6割以上と高く、多くの現役世代や若年層が暮らしている点が挙げられます。さらに、ライフスタイルの多様化や晩婚化を背景に、エリア内の「単身世帯数」は増加傾向にあります。

 

【図表1】志木市の人口ピラミッド 出所:総務省「国勢調査」
【図表1】志木市の人口ピラミッド
出所:総務省「国勢調査」

 

加えて、駅至近にある有名大学などのキャンパスライフを支える学生需要と、都心へ通勤する20代・30代の若手ビジネスパーソンの需要が絶え間なく流入するため、一人暮らし向け物件に対するニーズは非常に底堅いという特徴があります。

 

志木駅周辺の昼夜人口比率を見ると76.60%。周辺都市と同様に100%を下回る、典型的な「東京のベッドタウン」としての数値を示しています。 主な流出先(通勤・通学先)は、新座市や朝霞市といった周辺部のほか、東武東上線でダイレクトに繋がる「東京都豊島区」をはじめ、相互直通運転によって一本でアクセスできる新宿区、千代田区といった都心の主要エリアが上位を占めています。

 

【図表2】志木市の昼間人口・夜間人口の地域別構成割合 出所:総務省「国勢調査」
【図表2】志木市の昼間人口・夜間人口の地域別構成割合
出所:総務省「国勢調査」

 

このことから、志木駅周辺は「都心の高い家賃を避けつつも、移動の利便性を妥協したくない」と考える単身者にとって、最も有力な選択肢のひとつとなっていることが分かります。学生需要と、都心通勤者の社会人需要という「二大需要層」を同時にターゲットにできることは、不動産投資において大きなアドバンテージといえるでしょう。

 

続いて、志木駅周辺の単身者向け物件の家賃相場は、急行停車駅としての高いブランド力を反映し、周辺の各駅停車駅や武蔵野線沿線(新座駅など)と比較して高水準を維持しています。大手住宅検索サイト3社のデータを基にした志木駅周辺の平均家賃を算出すると、ワンルームは7.04万円、1Kは7.58万円(ともに2026年5月22日時点)。

 

若手会社員(20代前半・正社員)の平均月収が約23.7万円とされるなか、家賃が収入の3分の1以内に収まる「1K(約7.24万円)」は、賃借人にとって非常に現実的で無理のない価格帯です。オーナー目線から見れば、「高い入居率(安定稼働)」と「確かな家賃収入(高収益性)」のバランスが極めて優れている間取りであるといえます。

 

中長期的な不動産投資において、将来の人口動態は最も注視すべきポイントです。国立社会保障・人口問題研究所による「日本の地域別将来推計人口」などを基にした分析によると、志木市の人口減少カーブは全国平均に比べて非常に緩やかであると予測されています。

 

【図表3】志木市の総人口推計 出所: 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」に基づき、まち・ひと・しごと創生本部事務局作成 パターン1:全国の移動率について、足元の傾向が続くと仮定した推計(社人研推計準拠) シミュレーション1:合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)まで上昇したとした場合のシミュレーション シミュレーション2:合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)まで上昇し、かつ人口移動が均衡したとした(移動がゼロとなった)場合のシミュレーション。
【図表3】志木市の総人口推計
出所: 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」に基づき、まち・ひと・しごと創生本部事務局作成
パターン1:全国の移動率について、足元の傾向が続くと仮定した推計(社人研推計準拠)
シミュレーション1:合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)まで上昇したとした場合のシミュレーション
シミュレーション2:合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)まで上昇し、かつ人口移動が均衡したとした(移動がゼロとなった)場合のシミュレーション。

 

これをさらに細かく、駅周辺の500m〜1km圏内で区切った「将来人口メッシュ分析(2040年推計)」で見ると、駅東側エリアでは人口減がみられるもの、西側エリアは人口増が予想されています。

 

【図表4】志木駅周辺将来人口メッシュマップ 出所:国土交通省「250mメッシュ別将来人口推計人口データ(R国政局推計)」
【図表4】志木駅周辺将来人口メッシュマップ
出所:国土交通省「250mメッシュ別将来人口推計人口データ(R国政局推計)」

 

東武東上線「志木」駅周辺は、池袋・新宿・渋谷へダイレクトに繋がる交通ネットワーク、駅前の優れた商業利便性、そして学園都市としての活気が見事に融合した、非常にポテンシャルの高いエリアです。データが示す通り、若年層や単身世帯からの支持は圧倒的であり、中長期にわたって安定した賃貸需要が見込めるエリアだといえます。

 

しかし、需要が旺盛な人気エリアであるからこそ、競合物件との差別化や、入居者のニーズに合わせた適切な設備仕様の選定が安定経営の鍵となります。信頼できる賃貸管理パートナーとともに、時代に合わせたアプローチを行っていくことで、志木駅周辺でのアパート経営は息の長い、強固な資産形成をもたらしてくれるでしょう。