内閣府の「高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、高齢者が今後の生活に必要だと考える金融資産額の平均は「2,648万円」となっています。老後資金の不安から、年金受給を70歳まで遅らせる「繰下げ受給」で月5万円の増額を狙ったマサヤさん(仮名・69歳)。貯蓄1,500万円と年金月13万円では心許ないと働き続けていましたが、ある日突然〈思いもよらない事態〉に直面し、計画は白紙に……。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「親も長生きの家系だったのに…」突然の大病で繰下げ受給を断念
定年退職から3年が経った68歳のとき、自治体の健康診断で「要精密検査」の結果が出ました。後日、大きな病院で精密検査を受けたところ、なんと思わぬ大病が発覚したのです。
幸いにも早期発見だったため命に別状はありませんでしたが、入院とその後の通院治療により、体力は目に見えて落ちてしまいました。以前のように週4日、決まった時間に管理員の仕事をこなすことは難しくなり、泣く泣く仕事を辞めることに。
「健康だけは自信があったんです。親も長生きの家系ですし、自分は90歳くらいまで元気に働き続けられると本気で信じていました」
働くことができなくなり、収入が途絶えたマサヤさん。増額を待って70歳まで無年金で過ごすことは不可能となり、結局、繰下げを撤回して年金を受け取る手続きを行いました。
「人生何があるかなんて、誰にもわからない。だったら、元気なうちにもっと早く年金をもらって、妻と旅行でもしておけばよかった」
自身の病気を機に、将来に対する考え方がすっかり変わったというマサヤさん。長生きすることばかりを考えて、今の時間を犠牲にしてしまったことを後悔しています。