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27年間積み重なった妻の不満
「昨日、息子を駅まで送ったときは、『これでようやく子育ても一区切りだ』とホッとしたんです。でも、その翌日に離婚の話を切り出されるなんて思いもしませんでした」
都内のメーカーで課長職を務める佐々木誠さん(55歳・仮名)は、半年前の出来事を振り返りながら、静かに語ります。
元妻の真由美さん(53歳・仮名)とは27年前に結婚。2人の息子を育て上げ、この春、次男が地方のインフラ企業へ就職して家を離れたことで、長かった子育てはひと段落しました。しかしその直後、真由美さんから切り出されたのは、第二の人生の話ではなく「離婚」だったのです。
「『親としての役目は終わりました。だから、妻としての役目も終わりにしたい』と言われました。さらに、『もうあなたとは他人として生きていきたい』と……」
突然の言葉に、佐々木さんは戸惑いを隠せなかったといいます。
「浮気をしたわけでもない。暴力を振るったこともない。給料も家に入れてきたし、自分では家族を支えてきたつもりでした」
しかし、真由美さんの認識は違っていました。彼女が差し出した1冊のノートには、佐々木さんが過去に何気なく放った言葉や、体調を崩した際に十分気遣ってもらえなかった出来事などが、日付とともに細かく記録されていたのです。
真由美さんは、それらを長年にわたる精神的な苦痛だったと受け止めていました。子どもたちが独立したことで、「もう我慢を続ける必要はない」と決意したといいます。
こうしたケースは決して特殊ではありません。厚生労働省の『令和4年度「離婚に関する統計」の概況』によると、結婚期間20年以上の、いわゆる「熟年離婚」は長期的に増加傾向にあります。離婚全体に占める割合は21.5%で、およそ5組に1組が20年以上連れ添った夫婦の離婚となっています。
また、裁判所の『司法統計年報(令和6年)』では、家庭裁判所で扱われた婚姻関係事件において、妻側の申し立て理由として最も多かったのは「性格が合わない」で38.3%。「精神的虐待」も26.2%に上っています。