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人生の三大費用が“三重苦”になる理由
かつては「50代といえば子どもが独立し、老後資金を本格的に貯める時期」でした。
しかし現代は、晩婚化や出産年齢の高齢化、そして住宅ローンの長期化等により、教育費用・住宅費用・老後費用が大きくなる時期は重なりやすくなっています。ちょうどこのころは住まいの修繕(水回り・屋根・壁など)も必要になる時期です。場合によっては親の介護が必要になる時期でもあるため、出費はさらに嵩みやすくなります。50代での役職定年や転職などによる年収ダウンも当たり前の時代になっており、資産を増やすどころか減らしてしまう家庭も少なくありません。
グラフでみるように独身時代~40代までは、まだ余裕のある生活が送れるため、趣味や住まいにお金をかけたり、子どもにお金をかけたりすることもできます。しかし、この時期に将来のことを考えて資金計画を立てておかないと、50代で躓いてしまう恐れがあるのです。
資金不足になると、親が子どものために無理をしたり、子どもの希望する進学を断念させたりしてしまうケースも出てきます。教育費の選択肢として「奨学金」がありますが、奨学金は子どもの借金です。借金を抱えさせて社会に送り出すことになりますので、筆者はあまりお勧めしていません。
“人生の三大費用”(教育費用・住宅費用・老後費用)が“人生の三重苦”にならないためには、慎重な計画が必要です。50代で躓かないよう、40代のうちに、
・教育費のピーク
・住宅ローン残高
・役職定年後の収入
を“数字で見える化”しておきましょう。
40代~50代のキャリアが脅かされるワケ
これからの時代、過去のデータを参考にしたグラフのような収入が確保できる保障もありませんし、赤字は節約だけで埋められるものでもありません。さらに、40代~50代の世代を脅かしているのは、制度や支出の変化だけではないのです。若手世代との「スキルの差」も無視できないリスクとなっています。
まもなく、ITスキル(プログラミング・データ分析・セキュリティなど)を高校時代に学んだ「情報I」世代が社会に出てきます。情報I世代は、若くてITに強いため、企業も彼らの獲得に動いています。すでに一部企業では、40代以上のホワイトカラーに対し、ITスキルの有無で配置転換や昇進判断が行われはじめているのが実情です。リタイアまでの収入の土台を維持するためにも、ミドル層こそITリテラシーという武器が欠かせません。
日本は“失われた30年”でITスキルがすっかり低くなってしまい、67ヵ国中31位です(IMD「世界デジタル競争力ランキング」2024年版)。世界からみると“中位のやや下寄り”という位置づけのため、国も高校生の教育に力を入れています。サイバー攻撃を受ける企業がこの3年間で500社を超え、DXを進める企業も増えていることから、ITスキルの有無もホワイトカラーとして生き残るためには重要になってくるでしょう。
AIも進化するいま、ホワイトカラーが企業から求められる姿は数年で大きく変わってきていますので、現状維持では、この先の転職や再就職が厳しくなっていきます。