内閣府の調査によれば、「家庭生活において男性の方が優遇されている」と感じる人は全体の約6割に上ります。世帯の手取り月収40万円でやりくりをするアヤカさん(仮名・32歳)も、夫からの“経済的な支配”に苦しんでいました。自分は毎週飲み歩くのに、妻の月に一度のファミレスすら「贅沢だ」と許さない極端な節約夫。家計の主導権を握られ、息抜きすら許されない妻の心の内に迫ります。
「自分は毎週飲み行くのに…」世帯手取り40万円・32歳妻が絶望。“月1回のファミレス”すら許さない〈異常な節約夫〉のダブルスタンダード (※写真はイメージです/PIXTA)

「俺が稼いだ金で買ったんだぞ」冷蔵庫を監視する夫にすり減る心

さらにアヤカさんを苦しめているのが、コウジさんの食材に対する異常な執着です。

 

コウジさんは自分ではまったく料理をしないにもかかわらず、毎日冷蔵庫を隅々までチェックしては、賞味期限に口を出してきます。「俺が稼いだ金で買った食材を無駄にするな」と口酸っぱく伝えてきます。

 

「新婚当初、私が野菜を使いきれずに捨ててしまったことがあったんです。それをいまだに根に持って、ネチネチと引き合いに出してきます」

 

「家庭のため」と、コウジさんが節約を口にする理由は正論かもしれません。しかし、美容室に行くにもコウジさんに相談し、息抜きの外食すら許されない日々に、アヤカさんの心はすり減っています。「こんなに我慢してまで貯金をする意味があるのか」と、アヤカさんは結婚生活そのものに疑問を抱き始めています。

外食の平均支出は月1.4万円…データが示す「見えない支配」と妻の孤立

内閣府の「結婚行動の経済分析(2025)」によると、結婚には生活費を軽減できる「家計規模の利益」などのメリットがある一方で、「実際に結婚しなければわからない情報が多く、一緒に生活することが外部経済効果よりも不経済効果をもたらすリスクもある」と指摘されています。結婚前には見抜けなかった相手の極端な金銭感覚や価値観のズレは、結婚後の生活において大きなストレスを生む一因になると推測されます。

 

また、コウジさんは「外食は贅沢」と主張しますが、総務省の「家計調査報告(令和7年)」を見ると、二人以上の世帯における1ヵ月あたりの「外食」の平均支出は14,032円となっています。月に一度ファミレスで息抜きをすることは、世間一般から見て決して過度な贅沢ではないでしょう。自分自身の飲み代は正当化しつつ、妻のささやかな外食を禁止するダブルスタンダードな態度は、夫婦間の公平性を欠いているといえそうです。

 

さらに、「俺が稼いだ金で買った」というコウジさんの言葉の背景には、内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査(令和6年)」で示されている「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という古い役割分担意識(全体の33.1%が賛成)が潜んでいる可能性も考えられます。同調査において、「家庭生活において男性の方が優遇されている」と感じる人が全体の60.7%に上ることからも、アヤカさんのように家事を担いながらも、経済的な主導権を夫に握られて窮屈な思いをしている女性が少なくないことが推測されます。

 

結婚生活において、家計を守るために「節約」の意識を持つことは重要ですが、それが夫婦のどちらか一方にのみ我慢を強いるものであれば、いつか限界が訪れてしまいます。目先の貯金だけでなく、夫婦が対等に息抜きできる環境について話し合うことが、結婚生活を継続するうえで必要であることを、これらのデータは示唆しているといえそうです。

 

[参考資料]

内閣府「結婚行動の経済分析(2025)」

総務省「家計調査報告(令和7年)」

内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査(令和6年)」