(※写真はイメージです/PIXTA)
長男の提案に母親もドン引き
東京都内の戸建てで夫(70歳・仮名)と暮らす、高橋由美子さん(68歳・仮名)。由美子さんは昨春までフルタイムで勤務しており、夫婦合わせた現在の年金受給額は月35万円ほど。手取りでも30万円弱あり、年金だけでも十分生活ができ、さらに貯金までできてしまうほど。コツコツと積み立て貯金をしてきたおかげで、老後資金に不安もありませんでした。
しかし、そんな二人にも不安材料がありました。都内の大手企業に勤める長男の直樹さん(38歳・仮名)です。
「ちょっと身の丈にあっていないといいますか、見栄っ張りなところがありまして……」
住まいは都内近郊、3LDKで家賃32万円のタワーマンション。対して、直樹さんの月収は約50万円、手取り38万円弱。共働きだから成立していますが、明らかに家賃が高すぎました。また5歳になる長女には、ピアノ、バレエ、英会話と、複数の習い事をさせています。
「まだ小さいのだから、そんなに忙しくしなくても……」と由美子さんが言うと、「駄目だよ、周りの子たちはみんなやっているんだから」と直樹さんは反論します。
そして昨年のゴールデンウィーク。妻の恵さん(35歳・仮名)、そして孫の3人で遊びにきてくれたときのこと。せっかくきてくれたのだからと、高級なお寿司を出前して家族を出迎えました。
「長男家族のほか、長女家族も来てくれて。孫たちは食事を早々に済ませて、2階に遊びに行ってしまって、テーブルを囲むのは大人だけになりました」
大人だけになると、直樹さんのボヤキが始まりました。
「子どもの習い事だけで年間100万円はかかる。中学受験を考えると、小学校に入ったら塾に通わないと……いくらお金があっても足りない」
ため息をつきながら話す直樹さんに、まわりは少々あきれ顔。しかし、そのあとの直樹さんの提案で、由美子さんの堪忍袋はブチっと切れたといいます。
「直樹が『父さんたちの家、将来売ればいくらになるかな。今のうちにリバースモーゲージを組んで、その金を僕たちの教育費の足しにさせてくれないか。どうせいつか僕たちのものになるんだから、今使ったほうが効率的だろ』と言い出したんです。開いた口がふさがりませんよ。直樹の発言に、恵さんもバツが悪そうな顔をして……本当に申し訳ない」
このときは空気を悪くしないようにと黙っていた由美子さん。しかし帰り際、直樹さんだけを呼び止めて「もう二度と、この家の敷居を跨がないで」と告げたといいます。
「私たちのころより、今の人たちは大変だと思います。だからといって、最初から親のお金をあてにされちゃ困ります。私たちは私たちの生活があるのですから」
