「無償化」と聞くと、教育費の負担がなくなるように感じるかもしれません。しかし実際には、その言葉の印象と現実のあいだに少なからずギャップがあるようです。東京都の高校無償化にあやかろうとした40代共働き夫婦の事例をもとに、高校無償化の仕組みと注意点をみていきましょう。※個人の特定を避けるため、登場人物の情報は一部変更しています。
(※写真はイメージです/PIXTA)
夫から“詰められた”妻は…
夫の言葉を受けた妻はようやく重い腰を上げ、パートから派遣社員に。夫婦の手取りは月に約52万円となりました。しかし、これから長女が大学に進学することを考えると悩みはつきません。
夫婦はなんとか自分たちの収入だけでやりくりしながら、補助金や児童手当を高校3年間分(約200万円)貯蓄し、大学費用に備えようと考えているそうです。
2026年度より制度の拡充へ
2026年3月31日には、高校授業料の無償化について2026年度から拡充する改正法が可決、成立しました。具体的には、高校生向けの「就学支援金」の所得制限が撤廃されます。また、全日制の私立高校に通う場合、支給上限が全国一律で年45万7,200円に引き上げられます。
「高校無償化」という言葉のインパクトは大きいですが、実態は「授業料の一部が支援される制度」であり、教育費全体をカバーするものではありません。
「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、制度の範囲を正しく理解し、家計全体で教育費をどう支えていくかを考えましょう。
石川 亜希子
CFP