「家賃を払うのはもったいない」「資産にならないのは損だ」……。私たちの周りには、こうした住まいの常識があふれています。しかし、変化の激しい現代において、住宅ローンというを背負うことだけが正解なのでしょうか。本記事では月収62万円(賞与別)の前田さんの事例とともに、40代からの住まい選びをFP dream代表FPの藤原洋子氏が助言します。※個人の特定を避けるため、内容の一部を変更しています。相談者の名前はすべて仮名です。
「年金は半分消えるらしい…」月収62万円・45歳会社員父、〈80歳ローン完済〉に怯えながらも月15万円返済・新築マイホームを買ってしまった“不動産会社からの助言”【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

住宅は「人生の目的」ではなく「手段」に過ぎない

「80歳までローンが続く」という事実に、身構えてしまうのは自然なことです。しかし、周りから「今が最後のチャンス」といわれると焦ってしまいますが、一度深呼吸して考えてみませんか。大切なのは世間のタイムリミットではなく、自身と家族にとっての『ちょうどいい時期』かどうか。納得感を大切にすることが、将来の安心につながるはずです。

 

住宅は、家族が笑顔で過ごすための「大切な場所」であって、決してそれ自体が人生のゴールではありません。新しいリビングは素敵ですが、そのために定年後の心配をしたり、日々の楽しみを我慢し続けたりすることは、本当に望んでいた「家族の幸せ」でしょうか。

 

住宅を持つということは、大切な資金を「住まい」という形に変えて預けるようなものです。20年、30年経ったとき、「この家がいざというときに自分たちを支えてくれる」と、穏やかな気持ちで思えるか。あるいは「この家のおかげで、これからの生活も安心だね」と夫婦で笑い合えるか。そんな確信が持てるまで、じっくり時間をかけても遅くはありません。

 

「幸せのバランス」は、どのあたりにあるでしょうか。大切な人生という物語を、一度高いところから眺めるような気持ちで、ゆったりと見つめ直してみてください。

 

 

藤原 洋子

FP dream

代表FP