(※写真はイメージです/PIXTA)
「見せる詐欺」の脅威…正常な判断を奪う詐欺手口
警察庁が発表した最新の統計『令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)』によれば、特殊詐欺の被害額は年間700億円規模に達し、過去最高水準で推移しています。特に、警察官や検察官を装う「官公庁等騙り」の手口は近年、顕著に増加しており、被害の深刻化が指摘されています。
なかでも注目すべきは、「ビデオ通話」を悪用したケースの急増です。従来の電話中心の手口とは異なり、犯人はビデオ通話上で偽の逮捕状や警察手帳を提示し、視覚的な証拠によって被害者の信頼を短時間で獲得します。この「見せる詐欺」は、被害者の合理的な判断を一気に停止させる点で、従来型よりも強い影響力を持つと考えられています。
また、内閣府の『特殊詐欺に関する世論調査』によると、「自分は詐欺に遭わないと思う」と回答した人が7~8割に上る一方で、実際の被害者は必ずしも、いわゆる「情報弱者」に限られないことが明らかになっています。むしろ、「社会のルールを理解している」「冷静に判断できる」と自己評価する層ほど、巧妙な役割付与によって被害に巻き込まれるケースも確認されているのです。
さらに近年の特徴として目立つのが、犯人が被害者を単なる標的ではなく、「捜査協力者」という役割に取り込む点です。「この捜査は秘密裏に行う必要があります」といった指示により、被害者は自ら進んで家族や金融機関への相談を控えるようになります。その結果、外部からの介入が遮断され、被害が拡大するのです。
このように、現代の特殊詐欺は単なる虚偽説明にとどまらず、視覚情報・心理操作・役割付与を組み合わせた犯罪へと高度化しています。被害を食い止めるために、防犯機能付き電話の導入といった物理的な対策はもちろん不可欠ですが、それ以上に重要なのは「自分だけは大丈夫」という過信を捨てることです。
警察がビデオ通話で連絡したり、SNSで書類を送ったり、口座への送金を求めることは、いかなる理由があっても絶対にあり得ません。
【注目のウェビナー情報】
【税金対策】4月15日(水)オンライン開催
《高所得者の所得税対策》
「インフラ投資×FIT制度」活用セミナー
【国内不動産】4月18日(土)オンライン開催
《未所有×民泊投資》
平均利回り20%超の「新資産運用モデル」の全貌