内閣府の調査によると、高齢者の約7割が現在の暮らしに「心配ない」と答え、手厚い年金制度に支えられている実態が明らかになっています。一方で、現役世代のなかには賃上げの恩恵を受けられず苦境に立たされている人も少なくありません。地方都市で実家暮らしをする28歳のシンジさんは、手取り18万円で必死に働きながら毎月5万円を親に渡しています。しかし正月に、年金暮らしの父親に「たかが5万円で……。GWまでに出て行け!」と非情な宣告を受けた、20代の若者の苦悩に迫ります。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「たかが5万で偉そうにするな!」GWまでに退去宣告…
「たかが月に5万円入れているくらいで、この家で偉そうにするな! 俺の年金のほうがずっと多いんだぞ。生意気いうなら、今年のGWまでに出て行け!」
シンジさんは耳を疑いました。高度経済成長期を働き抜き、現在は月に20万円以上の年金を受け取っている父親からすれば、息子の5万円は「たかが知れている金額」だったのです。また、コミュニケーション能力を「個人の努力不足」と片付ける古い価値観を持つ父親には、シンジさんの生きづらさや労働環境の厳しさを理解できていませんでした。
「親父の言葉でショックを受けました。自分の必死の努力を全部否定されたようで……」
シンジさんは自分が親から経済的にも精神的にも、一人前として認められていないことを思い知らされました。GWというタイムリミットが迫るなか、シンジさんは手取り18万円で借りられるアパートを調べています。父親とはできる限り鉢合わせないよう、共同生活を続けています。
「生活は苦しくなるでしょうが、自立するいいキッカケになったのかもしれません」
[参考資料]
内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」