突然の相続で明らかになった「1億2,000万円の株式」という現実

幸司さんが亡くなった日、株式市場は比較的高値圏で推移していました。相続財産を整理した息子の一郎さんが目にしたのは、現金500万円と、時価1億2,000万円相当の株式ポートフォリオでした。

「父は生前、『君に良いものを残してやる』とよく言っていました。でも、まさかこんな巨額になっているとは……」と一郎さんは振り返ります。

相続税は死亡日の終値で計算されます。自宅(評価額2,000万円)と合わせた相続財産は1億4,500万円。 妻が既に他界して法定相続人が息子1人のため、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人1名=3,600万円)を差し引いた課税対象額は1億900万円となりました。

納付すべき相続税額は概算で約2,660万円。税理士に依頼して作成してもらった相続税の概算を見て、一郎さんは愕然としました。

「父の預金は500万円しかない。2,000万円以上足りない……」

一郎さんの頭の中は真っ白になりました。この巨額の相続税を支払うために、一郎さんはある決断を迫られることになります。