2026年の「年金改正」の概要

厚生労働省が1月23日付で出したプレスリリース「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、令和8年度の年金額は、国民年金が前年比1.9%、厚生年金が同2.0%増額されるようです。

これにより、今まで受け取っていた年金よりも少し金額が増えるため、「これはいいニュースではないか」と感じる人も多いでしょう。

長年「年金はもらえない」と不安視されてきたなかで、実際に増えるという点は明るい材料に思えます。しかし、ここに国が知られたくない“不都合な真実”があるのです。

不都合な真実とは

実は、2025年の物価は3%上昇しています。これに対して年金の上昇率は2%前後、つまり、実質的な年金額は減少しているのです。この現実を踏まえなければ、改正の恩恵を過大評価してしまうことになります。

では実際、国民はどのくらいの年金を受け取れているのでしょうか。

厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」に基づく平均受給額は以下の通りです。

・国民年金:月5万7,580円

・厚生年金:月14万6,429円

男女別で見ると顕著な差がみえてきます。男性の平均は月16万66円であるのに対し、女性の平均は月10万7,200円と、月6万円近い差が生じているのです。平均14万6,000円という数字自体にはあまり意味がなく、男性にとっては16万円、女性にとっては10万円という感覚で捉えるべきでしょう。

さらに、女性の受給額は厳しい現実があります。月15万円以上を受け取れている女性はわずか10%、月20万円以上はわずか1%しかいません。

また、地域差も無視できないでしょう。

たとえば、神奈川県の厚生年金平均は月16万6,578円であるのに対し、青森県は月12万4,383円となっています。これは現役時代の給与水準に連動して年金が決まるためです。