利用者の約7割が年収500万円未満…「NISA貧乏」とは

「NISA貧乏」とは、将来への強い不安から投資を優先しすぎるあまり、日常の生活費を極端に切り詰め、精神的・経済的にゆとりがなくなっている人のことを指します。

金融庁が令和7(2025)年4月に発表したNISA利用者の年収別データ(図表1)をみると、2024年時点においてNISA口座を利用している人のうち、年収300万円未満が39.7%、年収300万円以上500万円未満が27.7%と、利用者の67.4%が年収500万円未満でした。

つまり、新NISAは決して資金に余裕のある人だけが使っている制度ではないのです。

出典:金融庁「説明資料(令和7年4月3日)」p9
[図表]NISA利用者の年収別内訳 出典:金融庁「説明資料(令和7年4月3日)」より

また、総務省「家計調査報告(2024年(令和6年)平均結果の概要)」によると、2人以上世帯において5世帯のうち1世帯は貯蓄が300万円未満、さらにこのうちの半分は100万円未満ということが明らかになっています。

このように、「生活防衛資金が十分でない状態で無理に投資を始めると、急な出費に対応できず、結果として生活が立ち行かなくなるリスクがある」ことから、テレビなどのメディアでは「NISA貧乏は危険だ」と警鐘を鳴らしています。

NISA貧乏は本当に悪いこと?

しかし、投資家としての私の意見は少し異なります。それは、「他人の価値観を人に押し付けるな」ということです。

大衆の意見に流されるままでは、本質的にお金を増やすことはできません。成功している人は、常に“ふつうの人”とは異なる「当たり前の基準」を持っています。

たとえば、タレントのみのもんた氏は全盛期に週16本のレギュラー番組を抱えていたといわれます。1日2本以上の収録をこなすことが、彼にとっての“当たり前”だったわけです。

投資も同様です。周囲と同じようにお金を使い、余った分だけ投資するという考え方では、将来の安泰は得られません。「今は生活を切り詰めてでも将来に備える」という行動は、今の快楽よりも将来の安心を優先している証拠であり、それ自体を否定すべきではありません。