定年退職は、夫婦のライフスタイルや家計の在り方が変わる転換点です。長年、家計管理を相手に任せきりにしていると、老後を目前にして思わぬ現実を突きつけられることも少なくありません。安心なセカンドライフを築くために、何が必要なのか。ある夫婦のケースから、これからの資産管理の勘所を見ていきます。
たったこれだけのお金で、老後はどうするつもりなの? 58歳専業主婦、60歳定年夫の「まさかの通帳残高」に絶句。初めて知った家計の現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

妻が家計管理は4割強だが…重要なのは家計がガラス張りであること

家計管理を一方の配偶者に任せる家庭は、日本では珍しくありません。ウェブスターマーケティング株式会社が既婚男女500人にアンケートを行った結果、管理の実態は以下の通りでした。

 

「主に妻が管理」が45.0%

「二人で分担」が31.2%

「夫が主に管理」が17.4%

「それぞれ別で管理」が6.4%

 

管理方法は世帯それぞれのやり方があるでしょう。しかし役割が分担されていたとしても、家計がガラス張りかどうかは別問題です。前述の中村さん夫婦のように、定年を迎えてから相手の金銭感覚を知ったというケースも決して他人事ではないのです。

 

金融庁の金融審議会による報告書「高齢社会における資産形成・管理」(2019年6月公表)では、長寿化に伴い資産寿命を延ばす必要性が指摘され、老後資金の管理において夫婦間の情報共有が重要であると強調されています。

 

老後資金の問題は、単に貯金額だけではありません。誰が、どのように管理しているかという点も重要です。共働き世帯が増えた現在でも、「家計の中身は一人しか知らない」、または「お互いの財布の中身は知らない」という家庭は少なくありません。老後を迎えてから慌てないためには、資産や支出の状況を夫婦で共有すること。それが、将来の生活を守るための基本になるといえます。