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企業も限界…「スタグフレーション」の足音が近づく
ボーナスカットや倒産リスクも
苦しいのは家計だけではなく、企業経営も同じです。物流コストのアップ、原材料費や光熱費の値上げ、そして金利上昇による借入れコストの増加が企業を圧迫しています。
消費者が買い控えに走れば、企業はそう簡単に売上を上げることができません。コストを下げるために、ボーナスカットや早期退職募集を行う企業も出てくるでしょう。景気悪化が長引けば、倒産する企業も増加します。従業員側としては、物価高で家計の支出が増えているにもかかわらず、肝心の収入まで減ってしまうという過酷な事態になりかねません。
スタグフレーションの恐れ
今回の原油高は、生活は一向に楽にならないのに物価ばかり上がる、という状況をさらに強くさせる可能性があります。このような不況下の物価高を「スタグフレーション」と呼びます。
日本が過去、スタグフレーションに陥ったのは、1970年代のオイルショックの時期であり、すでに半世紀が過ぎました。いまの現役世代はスタグフレーションを知りません。つまり、「経験したことのない景気の悪さ」が日本を襲うかもしれないのです。
企業は人件費削減だけに目を向けるのではなく、DXの推進や業務効率化など、ビジネスモデルそのものを見直す必要があります。そしてそれは、従業員の協力なしには成しえない改革です。企業も従業員も時代の変化に積極的に対応し、日本全体が“経験したことのない景気局面”に備えなければならないでしょう。
政府の財源には限界があり、国からの支援だけに頼り続けることは不可能です。だからこそ、私たちは変動する金利や物価に左右されないよう、正しい知識を身につけることが唯一の防衛策となります。ガソリン代や電気代がどのように決まり、なぜ高騰しているのか、その仕組みを知ることは家計防衛の第一歩です。ぜひ身近な人とも共有し、本格的な物価高が迫る夏に向けて、いまから家計の見直しを進めてほしいと強く思います。
川淵 ゆかり
川淵ゆかり事務所
代表