大学進学時、父親から「学費は何とかする」という話をされ、自分名義で約400万円の奨学金を借りたTさん(28歳)。約束通り、就職後は父親が返済を肩代わりしていましたが、突然倒れたことで事態は一変します。親の援助が途絶え、残額約300万円を急遽自分で返済することに。貯金に回していたお金は返済に消え、将来への不安を抱えることになった20代男性の事例を紹介します。
「親を責めるつもりはないが…」年収400万円・28歳サラリーマンの嘆き。親の「学費は心配するな」から一転、まさかの事態で〈奨学金肩代わり〉終了のお知らせ (※写真はイメージです/PIXTA)

奨学金を親が肩代わりする場合、気をつけたい「贈与税」リスク

奨学金を借りているのは学生本人であっても、卒業後に親が返済の全額または一部を肩代わりしているケースは一定数存在します。日本学生支援機構(JASSO)の調査でも、返還を延滞している人のなかには「親等が返還すると思っていた(59.2%)」と回答する人が多く、当初から親が負担する前提になっている家庭も少なくありません。

 

子どもの負担を減らしたいという親心は素晴らしいものですが、親子間で奨学金の返済資金をやりとりする際には注意すべき点があります。それが「贈与税」の問題です。奨学金の返済義務はあくまで契約者である「子ども本人」にあるため、親が肩代わりする行為は贈与とみなされる可能性があります。

 

毎月数万円ずつの援助であれば通常は課税されませんが、「退職金で300万円を一括返済する」など、年間110万円の基礎控除枠を超える大金を一度に援助した場合は、贈与税の申告・納税が必要になるケースがあるため注意が必要です。

 

Tさんのように親の急病などで返済が難しくなるリスクも含め、親が奨学金を援助する場合は、万が一の事態を想定して親子でしっかり話し合い、正しい知識を持っておくことが大切です。

 

[参考資料]

日本学生支援機構(JASSO)「令和6年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」