母子家庭で育ったYさん(23歳)は、経済的理由から私立理系大学への進学を諦めかけていました。しかし、無利子の第一種奨学金を利用して無事に志望大学に進学。大学で専門スキルを身につけた結果、大手IT企業に就職し、現在は月収約31万円のシステムエンジニアとして活躍しています。奨学金を活用して自らの可能性を広げ、初ボーナスで母親に温泉旅行をプレゼントするなど、親孝行を実現できた20代男性の事例を紹介します。
「母さん、ありがとう」女手一つで育ててくれた母と初ボーナスで温泉旅行へ。月収31万円・23歳サラリーマンが〈無利子の奨学金〉のおかげで叶えた親孝行 (※写真はイメージです/PIXTA)

奨学金が果たす本来の役割

奨学金は多くの学生にとって欠かせない、進学のセーフティーネットとして機能しています。

 

日本学生支援機構(JASSO)によると、日本の大学で学ぶ学生のうち、およそ3人に1人(31.7%)が同機構の奨学金を利用して学費や生活費を工面しています。とくに理系学部など学費が高額になるケースでは、世帯収入だけでは進学費用を賄いきれない家庭が少なくありません。Yさんのように、経済的な理由から進学を断念せざるを得ない若者を救済する手段として、奨学金は重要な役割を担っています。

 

奨学金には大きく分けて、利息がつかない「第一種奨学金」と、利息がつく「第二種奨学金」があります。第一種は無利子であるため返還総額が膨らむリスクがなく、社会に出てからの家計管理が計画的に行いやすいという大きなメリットがあります。ただし、貸与を受けるには一定の学力・家計基準をクリアしなければなりません。

 

近年、奨学金の返済苦や滞納といったネガティブな側面がメディアで取り上げられがちですが、本質的には意欲ある若者の「学ぶ権利」を保障し、将来の選択肢を広げるための制度です。

 

Yさんのように、奨学金を正しく活用して専門的なスキルを身につけ、社会人としてしっかりと自立して返済を続ける若者も数多く存在します。奨学金制度が、次世代の若者たちの才能を開花させるための有効な投資となっていることが、こうした事例からも伺えます。

 

[参考資料]

日本学生支援機構(JASSO)「奨学金事業に関するデータ集」