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大学生のメンタルヘルスと経済的困窮の現状
大学生が精神的な不調や経済的な困窮を抱え、孤立する事例が報告されています。
文部科学省『令和5年度 学生の修学状況等に関する調査』によると、2023年度における大学中退者は5万6,710名。全体の2.1%を占めます。その理由に注目すると、「転学」「就職」を除いた主な理由は「学生生活不適応・修学不意欲(16.5%)」「経済的困窮(13.6%)」「精神疾患(6.6%)」となっています。
また、全国大学生協連『第61回 学生生活実態調査(2025年調査)』によると、下宿生の家計における仕送り額は平均月7万4,652円。対して支出額は平均月13万8,020円。差額6万円強は、奨学金やアルバイト代で埋めているのが現状です。もし体調を崩したり学業が忙しくなったりして、アルバイトができなくなれば、日常生活は成り立たなくなってしまいます。
親にSOSを出すことができればよいのですが、大学生にもなれば、家計の実態も細かく見えてくるもの。厚生労働省『毎月勤労統計調査』(速報、従業員5人以上)によると、2025年、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年から1.3%減。4年連続のマイナスで、実質的に「給与は減り続けている」という状況が続いています。このような中、学生も「とてもじゃないけど、『助けて』なんて言えない」というケースも珍しくないでしょう。
金銭的な苦しさとメンタルヘルスの不調が重なる中、多くの大学では「学生相談室」や「ピアサポート(学生同士の支援)」を設置し、早期介入の体制整備を進めています。2023年度時点で、全大学の98%以上が専門のカウンセラーを配置。学外の医療機関や自治体の生活困窮者自立支援制度との連携が推奨されています。