内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によれば、シニア層の約4割が「75歳以上まで働きたい」と高い就業意欲を持っています。しかし、長年の経験や資格を活かして稼ぐほど、国から支給される年金がカットされるという現実に直面するケースがあります。時給3,000円のバイトと月21万円の年金で多くの収入を得ていたノリアキさん(仮名・65歳)も、「在職老齢年金制度」によって年金カットの対象となりました。高い給与を得るシニアがぶつかる「65万円の壁」とは。
65歳男性「あれ、年金が少ない…?」定年退職後に時給3,000円で〈月48万円〉稼ぐも…年金事務所で告げられた「年金カットの理由」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「経済的にはだいぶ楽」時給3,000円のアルバイトと年金で〈月69万円〉を得る65歳男性

ノリアキさん(仮名・65歳)は、長年勤めた建設会社を定年退職しました。受け取れる年金は月21万円ほど。まだまだ体力には自信があったため、年金を受給しながら働くことを選択しました。

 

「毎日家でテレビを見ているだけではボケてしまいそうです。お金のためというより、社会とのつながりを持っていたくて、再就職先を探しました」

 

ノリアキさんは、「一級建築士」の資格と長年の経験が活かせる求人を見つけました。図面確認や各種申請業務のサポート、若手への技術的なアドバイスを行う業務です。時給3,000円と、シニア向けの求人としては破格の好待遇でした。

 

募集には「働き方は柔軟にご相談いただけます」とありましたが、ノリアキさんは平日のフルタイム勤務を希望し、しっかりと働きました。その結果、初月の給与は48万円に達しました。

 

「48万円の給料に加えて、21万円の年金も入ってくるので、経済的にはだいぶ楽です」

 

ノリアキさんは、2ヵ月に一度の年金が振り込まれたことを確認するために、銀行へ向かいました。しかし、ATMでお金を下ろそうとした際、想定していた2ヵ月分の金額よりも「4万円」も少ないことに気づき、「あれ、年金少なくないか?」と首を傾げました。

 

慌てて年金事務所に問い合わせてみると、担当者から「ある事実」が告げられます。