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消費税減税「年5万円強」の恩恵は素直に喜ぶべきか?
ここで、私たちの家計が現在どれほどの負担増に直面しているのか、客観的なデータで確認してみましょう。
総務省が公表した『家計調査 家計支出編』によると、食料品の支出額(二人以上の勤労世帯)は2025年の月平均で9万3,789円。一昨年の8万7,954円と比較すると、物価高による節約意識が働いている面もありますが、単純計算で月約5,800円、年間で約7万円もの負担増となっているのが現状です。
【2024年と2025年、勤労世帯の家計比較】
■実収入
2024年:63万6,155円 / 2025年:65万3,901円
■可処分所得
2024年:52万2,569円 / 2025年:53万2,408円
■消費支出
2024年:32万5,137円 / 2025年:34万6,297円
(うち食料品)
2024年:8万7,954円 / 2025年:9万3,789円
もし現在、この9万3,789円に対し、5%の消費税がかかっていると仮定して計算してみます。
税抜き価格は約8万9,322円となり、消費税分は1カ月あたり4,466円です。仮に「2年間限定のゼロ税率(減税)」となった場合、この約4,500円が毎月手元に残ることになります。年間で約5.5万円の恩恵は、一般家庭にはとてもありがたいものです。
しかし、世の中で議論されている「食料品減税」には、見過ごせない「副作用」も指摘されています。
第一に、消費税は社会保障の安定財源であるという点です。消費税収が減れば、その穴埋めとして「社会保険料」のさらなる引き上げや、医療・介護サービスの自己負担増が検討される可能性が浮上します。レジで支払う金額が安くなっても、給与明細から天引きされる金額がそれ以上に増えれば、家計は実質的にマイナスとなります。
第二に、出口戦略の難しさです。2年間の期限が切れた際、再び5%なり8%なりの税率に戻すとき、国民の反発は必至です。その際の政治的な混乱や、買いだめによる市場の歪み、店舗側のシステム改修コストなどは、巡り巡って物価に跳ね返ってくる恐れがあります。
いずれにせよ、消費税減税の実行に向けては、まだ不透明なことばかりです。