(※写真はイメージです/PIXTA)
50代からの逃げ切り戦略
佐藤さんが45歳から着手し、52歳の現在も継続している「住宅ローン×有価証券運用」という手法。
総務省『家計調査 家計収支編 2024年平均』によると、65歳以上の単身無職世帯の平均的な実収入は134,116円。対して支出は消費支出が149,286円、税金や保険料を含む非消費支出は12,647円で、合計161,933円。毎月27,817円の不足が発生しています。
この調査の支出データにおける「住居費」は持ち家を前提とした平均12,000円程度。賃貸住まいの単身者が現役時代の生活水準(月25〜30万円程度)を維持しようとすれば、年金だけでは毎月15万円以上の持ち出しが必要となります。
また、国立社会保障・人口問題研究所(IPSS)の『世帯将来推計』によれば、2050年の日本全体の単独世帯(ひとり暮らし世帯)は全世帯の約44.3%と予測されています。そのうち65歳以上の高齢者一人暮らし世帯数は約1,083万世帯に増え、全体の約20%前後を占める見込みです。
そんな「おひとり様」にとって、最大のリスクは長生きによる「資産の枯渇」。佐藤さんのように、50代という信用力が残る時期に無理のない範囲で住居資産を確保し、並行して長期分散の株式運用を行うことは、単身者の資産寿命を延ばす有効な選択肢のひとつです。
日本証券業協会の調査(2023年)でも、iDeCoやNISAを活用した長期的な資産形成は、将来に備える手段として幅広い世代で注目されています。そのうえで、立地や資金計画などの条件を満たす場合には、株式などの金融資産に加えて不動産からの家賃収入を組み合わせることで、インフレへの備えやキャッシュフローの分散につながる可能性があります。
「決断したのが45歳だったから、今の余裕があります」と語る佐藤さん。残された時間を最大限に活用する戦略は、先行きの見えない時代を生きる現役世代に、一つの明確な指針を示しています。