生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(2025年度)」によると、自分の老後生活に「不安感あり」とした人の割合は83.2%で、そのうち79.8%が「公的年金だけでは不十分」と回答しています。そこで今回、世帯年収900万円の50代夫婦を例に、年金に過度に依存せず、90歳まで生活を続けるために必要な貯金額をみていきましょう。石川亜希子CFPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
老後が不安です…世帯年収900万円・年金見込額月20万円の50代夫婦が「90歳まで不自由なく生きる」ために必要な、65歳時点での貯金額
「自分たちに本当に必要な額」を知る
もっとも、試算した金額は「65歳時点で必ず現金で用意すべき金額」という意味ではありません。
まずは、今後想定される支出と、預貯金や退職金の見込み額を整理して、「自分たちに本当に必要な額」を把握しましょう。そのうえで、50代からは「貯める・増やす・減らす・働く」を同時並行で進めていくことが重要です。
「貯める」
なんとなく貯めるのではなく、医療・介護費や住宅修繕費など、目的別に貯蓄しておくことで、漠然とした不安の解消につながります。
「増やす」
50代の投資は一発逆転を狙うものではありません。新NISAのつみたて枠などを活用し、インデックス投資を中心に、生活を圧迫しない範囲でコツコツ積み立てていきましょう。「すべてを投資」は危険ですが、「なにもしないこと」もまたリスクです。
「減らす」
保険の見直しや格安SIMへの切り替えなどで、たとえば月2万円削減できれば、老後までの15年間で360万円の差になります。固定費の見直しはもっとも確実な対策です。
「働く」
これからの老後設計は「65歳での完全リタイア」が前提ではありません。たとえば65歳~70歳まで月5万円の収入を得られれば、5年間で300万円になります。また、働くことは収入面だけでなく、社会とつながることで生きがいを感じるなど、心理的にもいい影響があるためおすすめです。
老後不安の正体は、お金そのものよりも「見通しが立たないこと」にあります。数字を知り、選択肢を整理して設計することが、年金に怯えない老後への第一歩となるでしょう。
石川 亜希子
CFP