長年勤めた会社から受け取った退職金2,000万円。「これで老後は安泰だ」と胸をなでおろした遠藤さん(仮名・70代)が、なぜ絶望の淵に立たされることになったのでしょうか。きっかけは、元同期の飲み会で知った思わぬ事実。妻に内緒で始めたことが、取り返しのつかない事態へと向かいます。今回は、退職金運用の落とし穴と失敗してしまった時の対処法について、FPの青山創星氏と一緒に考えていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
こんな老後のはずじゃなかったのに…退職金と貯蓄2,800万円が半減、妻も失った70代男性の後悔。転落の始まりは「元同期との飲み会」【FPの助言】
「みんな投資で儲けている?」飲み会での衝撃
「まさに人生最大の大金。自分のことながら『よく頑張って働いた』と思いました」
遠藤真さん(仮名・70代)は、退職金として2,000万円を受け取った時の心境をこう振り返ります。
遠藤さんの妻は専業主婦で、退職金は夫婦の老後資金として大切に使っていきたいと考えていました。遠藤さんもそれに同意し、60歳で受け取ってから5年間は一切使うことがありませんでした。
その後、雇用継続契約も終わり、65歳で完全にリタイア。お祝いとして旅行に行ったり食事に行ったりすると、すぐに100万円ほどが消えていきました。
「年金暮らしだし、上手にお金を使わないと、すぐになくなっちゃうな……」
そんな考えが膨らんでいた時です。会社の元同期たちとの飲み会で、退職金をどうしたかという話になりました。
「もう5年も前だろ。住宅ローンの返済とかでほとんどなくなったよ」と苦笑する人もいれば、「海外旅行でぱーっと使った」という人も。銀行預金であたためている自分は堅実だとほっとしました。
しかし、「投資に回して増やした」と話す元同期たちの言葉で、状況は一変します。
「NISAで300万円が500万円になった」
「米国株で年間100万円の配当をもらっている」
「ビットコインで倍になった」
「米国株で年間100万円の配当をもらっている」
「ビットコインで倍になった」
退職金を受け取った当初から、投資の話を聞くことはありました。しかし現役で働いているうちは、どこか他人事だったといいます。遠藤さんの心には焦りが広がりました。「こっちがお金を減らしている間に、増やしている人がいる」――。
「世間でも投資は必須だと言うしな……やってみるか」
まさか、この判断が家庭崩壊の引き金になるとは、この時は想像もしていませんでした。