長年勤めた会社から受け取った退職金2,000万円。「これで老後は安泰だ」と胸をなでおろした遠藤さん(仮名・70代)が、なぜ絶望の淵に立たされることになったのでしょうか。きっかけは、元同期の飲み会で知った思わぬ事実。妻に内緒で始めたことが、取り返しのつかない事態へと向かいます。今回は、退職金運用の落とし穴と失敗してしまった時の対処法について、FPの青山創星氏と一緒に考えていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
こんな老後のはずじゃなかったのに…退職金と貯蓄2,800万円が半減、妻も失った70代男性の後悔。転落の始まりは「元同期との飲み会」【FPの助言】
退職金運用で絶対に避けるべき落とし穴
遠藤さんの事例から学べる教訓は以下の通りです。
•退職金は老後の生活基盤:一攫千金を狙う投機の対象ではない
•妻への相談は必須:家族の将来に関わる重要な決断は必ず共有する
•友人や知人の投資話に要注意:失敗は忘れ成功を美化しがち。話半分で聞くべし
•高レバレッジ投資は危険:FXや信用取引は退職金では絶対に避ける
•仮想通貨への過度な期待は禁物:リスクの高さを理解していない人は手を出すべきではない
•「確実に儲かる」話は存在しない:甘い話には必ず裏があると疑う
•失敗した場合の対処法:追加投資ではなく、生活コストの見直しや収入確保を優先
•残った資産の保全:リスク投資から完全に手を引き、元本保証商品で運用
退職金2,000万円という大金を「減らしたくない」「もっと増やしたい」という気持ちは理解できます。しかし、それは老後の生活を支える大切な資金であり、ギャンブルの元手ではありません。
老後は労働収入を得る機会が限られるため、高リスク商品への投資には特に慎重な姿勢が求められます。とりわけ、これまで投資経験のない人が退職金のような大金を手にした場合、投資そのものを見送る判断も賢明な選択肢です。投資には知識と経験の蓄積が不可欠であり、一獲千金を狙うことはあまりにもリスクが大きいのです。
遠藤さんのような悲劇を繰り返さないために、退職金運用には慎重かつ現実的なアプローチが必要なのです。
ファイナンシャルプランナー
青山創星