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投資詐欺の被害にあう高齢者の実態
警察庁『令和6年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について』によると、特殊詐欺の被害者のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は依然として高く、特に「金融商品詐欺」などの投資名目での被害は、多額の資産を持つ層がターゲットになりやすい傾向があります。
2024年の特殊詐欺全体の被害額は約721.5億円に達し、統計開始以来、極めて深刻な水準です。また特殊詐欺とは別に集計されている「SNS型投資詐欺」も2024年に急増。著名人をかたった偽広告やSNSでの勧誘を通じて、50代〜60代を中心に多額の投資名目で現金をだまし取られるケースが多発しています。
そもそも高齢者が投資詐欺に遭いやすいのは、将来への不安が大きいから。金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和5年調査』によると、「老後の生活が心配」と回答したのが全体の78.4%。すでに老後に突入している70代も67.2%が将来を不安視しています。そのような気持ちにつけ込まれているわけです。
また投資詐欺の影には常に「将来への不安」があります。また「家族に心配をかけたくない」「弱みを見せられない」という自尊心が壁となり、自らを追い詰めてしまうケースも珍しくありません。
「高配当」「元本保証」といった甘い言葉の裏には、必ずと言っていいほど大きなリスクが潜んでいます。一度失った資産を取り戻すことは、現役世代以上に困難です。一人で抱え込んでしまうのは老後破綻のリスクを拡大させます。手遅れになる前に、警察相談専用電話「#9110」や、近くの消費生活センターへつながる消費者ホットライン「188」などに相談する勇気を持つことが、有効な解決手段といえるでしょう。
田中さんのように、プライドから周囲に相談できず、一人で抱え込んでしまうケースは少なくありません。しかし、経済的な困窮は隠し続けるほど深刻化します。異変を感じた際には、手遅れになる前に、家族や専門機関に助けを求める勇気を持つことが、老後破綻を防ぐ唯一の手段といえるでしょう。