子どもが18歳になり、無事に大学へ送り出した――。それだけで、親としての大仕事を終えたような気持ちになる方も多いでしょう。しかし、その安心感の裏で、子どもが思わぬトラブルに陥るリスクがあることをご存じでしょうか。今回は、18歳で「成人」となった子が直面した契約トラブルの罠と、教育費だけではない親が子どもに授けるべき財産について、CFPの伊藤寛子氏が解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
お母さん、助けてください…東京で暮らす18歳娘からの「まさかの電話」。貯金50万円・極限生活の中〈仕送り月5万円〉を工面する53歳母が崩れ落ちたワケ【CFPの助言】
救いとなったのは…?「いち早く行動すること」の重要性
なんとか契約を取り消せないか。そう思った美智子さんは、結衣さんから送られてきた契約書の画像を確認しました。すると幸いなことに、契約日からまだ3日目。クーリング・オフの対象期間でした。
エステ契約は「特定継続的役務提供等契約」に該当し、契約締結日を含めて8日以内に書面または電磁的記録で事業者に対して解除の意思を伝えることで、無条件で解約が可能です。エステのコースの契約に伴い購入させられた化粧品や美容器具も、クーリング・オフの対象に含まれます。
「もし、これが数週間後だったら」 「もし、内容をよく分からないまま放置していたら」―― そう思うと、美智子さんは背筋が寒くなりました。
美智子さんは、結衣さんとビデオ通話でじっくりと話し合いました。叱り飛ばしたい気持ちを抑え、自分がどれほど苦労して学費を捻出しているか、そして「契約」という行為がどれほど重い責任を伴うのかを伝えました。
結衣さんは泣きながら謝り、自らハガキを書いてクーリング・オフの通知を出しました。数日後、契約解除が認められ、家庭は辛うじて破綻を免れました。
もし個人での交渉が難しい場合や、相手業者が「開封したから無理だ」などと強弁してくるなど困った時には、近くの消費生活センター等に相談することで、専門の相談員から助言を受けることができます。消費者ホットライン「188」への電話や、相談専用フォーム等からも相談可能です。