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帰省予算は平均「約6万円」…無理のない交流が親子の関係を守る
物価高やライフスタイルの変化により、伝統的な「盆正月の帰省」を見直す動きが広がっています。
株式会社明治安田総合研究所が2025年に実施した「夏に関するアンケート」によると、帰省も含むであろう国内旅行にかける費用は15万1,938円。物価高、訪日外国人増加等で、 旅行の宿代・食費・交通費が上昇したことを理由に、昨年を上回ったといいます。一方で、夏休みに使う金額を「増やす」と回答した人は18.5%、「減らす」と回答した人は18.3%。後者の理由として、「物価高で家計が厳しいため」(62.0%)、「将来が不安なので貯蓄するため」(24.9%)と、物価高の影響で節約志向が強まっていると分析しています。
この傾向は、今年の年末年始も続くとされています。
無理をして帰省し、金銭的な余裕のなさからイライラしてしまっては、せっかくの家族の時間も台無しです。親世代としても、自分たちのために子どもが経済的に困窮することは望んでいません。むしろ、田中さんの事例のように「時期をずらす」「親が都市部へ出向く(呼び寄せ)」といった柔軟なスタイルへの変更は、双方にとってメリットがありそうです。
・経済的負担の分散
ハイシーズンを避けることで交通費や宿泊費を抑えられる。
・親の自立と活性化
親が自分でホテルを予約したり、移動したりすることは、認知機能の維持や社会参加の観点からもポジティブな刺激になる。
・介護リスクへの備え
親が「まだ移動できる」うちに都市部の自宅周辺の環境を見せておくことは、将来的な同居や近居、あるいは施設入居を検討する際の心理的なハードルを下げる効果も期待できる。
物価高に終わりが見えませんが、「親のため」と義務化していた帰省を見直すチャンスでもあります。一度親子で話し合うのもいいかもしれません。
[参考資料]