4.がんが再発した場合

初発のがんの初診日と、再発時の初診日のどちらで申請できるかは、患者さんが自由に選択できるものではありません。医学的な見解や受診間隔などを総合的に判断していくため、寛解の状況によっては判断が難しいケースがあります。

5.事後重症の申請のタイミングが難しい場合

事後重症は審査が通れば、請求した月の翌月分から障害年金が支給されます。つまり、申請が遅れるほど受け取れる年金の総額が減るため、認定日以降に症状が悪化した時点で適切なタイミングを見極めて申請することが重要です。

しかし、がん治療は体調の変動が大きく、額改定(等級の変更)は基本的に年1回のみのため、どの段階で申請すべきか悩む方が多くいます。特に、初診日が国民年金に該当する場合は3級がなく、2級相当の症状が認定基準となるため、慎重な判断が求められます。

この見極めは非常に難しく、経験のある社会保険労務士のサポートを受けることで、適切な申請時期の判断や必要書類の準備をスムーズに進められるケースが多くあります。

これらのケースでは、申請の進め方次第で受給の可否や受け取れる金額が変わる可能性があります。

「自分も該当するかも?」と思った場合は、社会保険労務士に相談し、申請の進め方やタイミングを確認することをおすすめします。

※障害状態チェックシート(請求者記入)の項目に該当した場合は、前回診査日から1年を待たずに年金額の改定請求を行うことができます。

(日本年金機構ホームページ「障害状態チェックシート(請求者記入)」をもとに作成)
[図表4]日本年金機構「障害状態チェックシート(請求者記入)」に書かれている障害の状態と等級の例(一部抜粋)  (日本年金機構ホームページ「障害状態チェックシート(請求者記入)」をもとに作成)

黒田 ちはる
看護師FP®