がんをはじめ、病気になるとローンや教育費、維持費などが生活費を圧迫します。そのようななかでも、子ども教育費については“聖域”のように捉えているケースも少なくないようです。とはいえ、現実には収入が減っているため対策は必須でしょう。そこで、看護師FPの黒田ちはる氏の著書『【図解】医療費・仕事・公的支援の悩みが解決する がんとお金の話』(彩図社)より、給与が減っても教育費を工面するための打開策を紹介します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
子どもには無理をさせたくありません…病気を患い給与減→わが子の「教育費」を捻出する打開策【看護師FPが解説】
「子どもには無理をさせたくありません」
このようなご意見もよく聞きます。ご家庭の考え方にもよりますが、もし自分や配偶者ががんになり、治療費がかかって家計が大変だとしても、子どもの教育費は“聖域”のように捉えているケースも見受けられます。親心として、その気持ちは痛いほど分かります。しかし教育費で無理をした結果、後々苦しくなってしまうケースも実は多いのです。
教育費の考え方のポイントは、以下の3つです。
1.子どもの意向
2.親としてどこまでかけてあげられるのか
3.奨学金返還の考え方
奨学金の利用も考えてみる
両親の収入が減っている場合には、返さなくても良い給付型の奨学金(日本学生支援機構は現在授業料免除もセット)の選択肢もありますが、収入自体は減っていないけれど、かといって教育費に充てられるお金が難しいという場合には、貸与型の奨学金を借りるという手もあります。
「奨学金は子どもに借金を負わせることになる」と抵抗を感じるかもしれません。しかし実は他で借り入れるよりは金利が低いのです。
ここで考え方の転換ですが、授業料を家計から捻出し、ほかの支出を高い金利の借金で工面するより、奨学金を借りたほうがいい場合があるということです。
大学受験から入学後までにかかる費用をまとめた[図表]を見ていただくと分かるように、奨学金が使えるのは入学後です。そのため、入学金や受験費用など、入学前に必要な支出をどのように準備するかを事前に考えておくと安心です。
低所得世帯の場合は、社会福祉協議会から入学金、制服・教材購入のための費用として教育支援資金の就学支度費の貸付が受けられる可能性もあります(受験料などの入学決定前に必要な費用は対象となりません)。
