現役世代は家や車のローンをはじめ、教育費や各種保険など、出て行くお金が多く、「思ったようにお金が貯まらない」と悩む人も少なくありません。そのようななか、病気やけがにより治療費が発生すると、家計はさらに苦しくなります。そんなときに知っておきたいのが「傷病手当金」です。看護師FPの黒田ちはる氏の著書『【図解】医療費・仕事・公的支援の悩みが解決する がんとお金の話』(彩図社)より、傷病手当金のあれこれについて、協会けんぽを例に紹介します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
病気やけがで収入が途絶えた…現役世代の“家計の危機”を救う「傷病手当金」とは
傷病手当金の基本(協会けんぽの例)
治療中の収入としてとても重要な、傷病手当金の概要をここで確認しましょう。協会けんぽを例にしていますが、他の健康保険組合にも共通しています。
傷病手当金とは?
傷病手当金は、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
全国健康保険協会(通称:協会けんぽ)、会社の健康保険組合、公務員などの共済組合に加入している被保険者が対象です。
被保険者とは、分かりやすく言うと、ご自身で健康保険料を支払っている方のことです。扶養されている方は利用できません。また、自営業の方などが加入している国民健康保険にはもともとない制度です。
健康保険証に書かれている健康保険の名称をインターネットで検索し、傷病手当金が利用できるのかを確認してみましょう。
病気やけがで働けなくなった時に家計を支える大切な制度
病気やけがで仕事を休むことになった場合、収入が途絶えると生活に大きな影響を及ぼします。
特に、がん治療など長期間の療養が必要なケースでは、傷病手当金が家計を支える重要な制度になります。いざという時に困らないよう、しくみをしっかり理解しておきましょう。
どんな時に受けられる?
傷病手当金は、被保険者が業務外の病気やけがのために働けず、連続して3日間仕事を休んだ(これを待期期間という)後、4日目以降の休んだ日に対して支給されます。
ただし、休んでいても会社から傷病手当金よりも多い給与が支払われた場合は、傷病手当金は支給されません。
