「自己流で申請」は後悔のもと?

情報をもとに自己流で手続きを進めた結果、審査に通らず後悔される方も少なくありません。自己流の申請では却下される可能性もあります。再審査の請求は可能ですが、手続きが複雑で時間がかかることが多いため、慎重な対応が求められます。

専門的な知識が必要な場合は、社会保険労務士に代行を依頼することが賢明な選択となることがあります。しかし必ずしも審査に通るわけではないことをご理解ください。

ここでは、「最初から専門家に相談していればよかった」と思われるケースをご紹介します。以下の内容は、患者さんやご家族以外の方が対応できる範囲を超えており、社会保険労務士でなければ手続きができません。医療従事者や私のようなFPであっても専門外となり、社会保険労務士法に違反する可能性がありますので、ご注意ください。

ちなみに、代筆や記載したものを添削するといった行為も、家族以外で代行が可能なのは社会保険労務士のみとなります。

社会保険労務士に相談したほうが良いケース

副作用や倦怠感により申請準備の負担が大きい方や、入院や治療で外出が困難な方はもちろんのこと、以下のようなケースでは、申請の進め方によって受給の可否や等級が変わる可能性があるため、社会保険労務士に相談することをおすすめします。がんの障害年金申請は、初診日の判定、診断書の依頼先、申請のタイミングなどが複雑で、慎重な判断が求められるためです。

1.複数の症状があり、複数の診療科を受診している場合

どの医師に診断書を書いてもらうか、診断書を複数用意すべきかの判断は難しく、複数の症状を含めて申請することで等級が変わる可能性もあります。ただし、数年後の更新時にも同様の書類が求められるため、長期的な手続き負担も考慮しながら申請方法を検討する必要があります。

2.がん自体は寛解していても、後遺症で申請したい場合

申請の際、初診日は「もともとのがんの発症時点」か「後遺症の発症時点」かによって決まりますが、さらに認定日は症状の状況によって異なることもあります。また、治療状況(服薬の有無など)や検査データの内容によっても影響を受けるため、同じ病名・治療であってもケースごとに判断が異なります。

3.初診日の判定が難しい場合

最初に受診した医療機関が閉院していたり、カルテの保存期間(5年)が過ぎている場合、初診日の証明が困難になります。また、複数の病院を受診している場合、どの診療科の受診日を初診日とするかの判断が難しいこともあります。さらに、別の疾患から移行した場合、新しい疾患との因果関係を考慮して初診日を決めることがあるため、判断が難しく申請に苦労していた患者さんもいました。