ドイツでは、「出張に有休をつなげる」ことや、長い休暇を取ることが、ごく自然に受け入れられています。こうした「しっかり休む」文化が、結果として高い生産性に繋がり、日本のGDPを逆転する一因となったのかもしれません。本記事では、サンドラ・ヘフェリン氏の著書『有休取得率100%なのに平均年収が日本の1.7倍! ドイツ人の戦略的休み方』(大和出版)より、ドイツ人の「仕事」と「休み」に対する、合理的な考え方を紹介します。
「休まず働く」日本、GDPで“敗北”、「ヨガで3週間休む」ドイツ…もはや根性論では勝てない、残酷な現実

部下の“合理的”な有休申請に、日本人上司が激怒

もちろん有休の期間に関しては、宿泊代は自費ですが、スケジュールさえ許せば、会社側も「楽しんでおいで」という感覚なのです。ところが外国人が何人か働く、ある日本の会社では、これがちょっとした問題になってしまいました。

 

海外出張が多かった部署で、ある外国人が「出張先にとどまって有休を何日かつなげていいか」と日本人の所属長に確認したところ、所属長はその確認自体にご立腹している様子でした。しばらく経ってから、所属長は「出張は遊びではありません!」と言ったのです。

 

しかし、その所属長は英語ができず、海外出張の機会はあまりありませんでした。このことから、もとより仕事で行くのに「海外に遊びに行けて立派なご身分」というような妬みが根底にあるように感じ取れます。でも、当たり前ですが、「あれをやってはダメ。これをやってはダメ」という会社では多様な人材は根付きません。

 

 

サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト