ひそかに「ヨガ休暇」がブーム
このように話を聞きました。
「最近ドイツではヨガが流行っているわね。会社によっては、就業前の朝の時間帯に、社員用のヨガ教室を設けているところもある。前に話したように、私の顧客にヨガの先生がいるけど、彼女はヨガの先生として生徒たちと一緒にスペイン、イタリア、ギリシャなどのリゾート地に行って、そこで何週間も毎日ヨガをやるの」
こういったコースはYoga Retreat と呼ばれ、自分を高めたいと考える人の間で人気です。
一昔前だと「南の島でゴロゴロする」のがドイツ人の典型的な休暇の過ごし方でしたが、近年はドイツでも健康志向の人が増えました。ヨーロッパの南の国は、観光や海水浴もできるYoga Retreat として人気とのことです。スペイン、イタリア、ギリシャであればドイツからそう遠くないため、移動の負担もかかりません。
そして多くのYoga Retreat は「3週間」です。つまり、「仕事から離れて本当に日常生活からの回復を図るためには3週間必要」と考えるドイツ人は多いのです。ヨガをしながら、1週間目は雑念から離れることに集中し、2週間目にエネルギーを感じ、3週間目に生まれ変わったかのように心身ともに元気になる……聞いているだけで、元気が出てきそうです。
出張と有休をつなげて休暇を満喫する
ノラさん(※)の場合はヨガではなく、旅行です。
ノラさんの夫(当時は彼)が海外への出張の際、出張に有休をつなげていました。そこにノラさんも同行して海外で休暇を楽しんでいたようです。
「やっぱりよかったのはカリフォルニアとハワイね。夫(当時は彼)が仕事をしている間、私は1人でショッピングに行ったり、よさそうなお店を散策。彼の仕事が終わってから何日か現地に残って2人で休暇を楽しんだわ」。
ここでもまた「文化の差」が見て取れます。ノラさんが言っていたように「出張が終わってから、現地で休暇を過ごす」というのはヨーロッパの感覚だと「アリ」なのです。したがって、会社員が、例えば外国で5日間の出張をする場合、それに有休をつなげて何日か現地に残ることも、多くの会社は許可しています。