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情報入手は「大学サイト」、北海道は「学校の先生」が健在
進路に関する情報収集の手段については、すべての地方グループで「大学の公式サイト・資料」がトップとなり、これが現代の高校生にとって最もスタンダードな情報源であることが確認されました。 差が出たのは2番目に多い情報源です。多くの地方で「SNS」が続くなか、北海道だけは「学校の先生」が16.9%で2位に入りました。都市圏に比べて、進路指導における学校や教員の役割が相対的に大きい地域であると考えられます。
大学に関する「情報量」については、どの地域でも約6割が「ある程度満足している」と回答。この点においては大きな地域差は見られませんでした。
情報量への満足度は全地域で似通っていましたが、調査の自由回答欄には、その数値だけでは測れない地方の高校生たちの切実な声が寄せられたといいます。
特に北海道、東北、九州の高校生からは「レベルの高い大学を地方に作って欲しい」「地方勢は難関大に受かった身近なモデル(ロールモデル)が乏しい」といった、都市圏との教育環境の差を訴える意見がありました。
表面的な情報アクセスはデジタル化によって平等になりつつあっても、実際に目標とできる身近な存在や、進学先の選択肢そのものの不足という「質の格差」は、依然として存在していることがうかがえます。
調査元は「地方と都市圏との格差は健在で、今後より広がる可能性がある」と考察しています。そして、「都市圏から離れた地域ほど、進学に対する経済的なハードルを感じやすいことが改めて明らかになった」と指摘。そのうえで、「『大学それぞれの魅力は適切に伝わっているか』を改めて検討し、高校生が納得のいく意思決定ができるように支援が必要だ」とまとめています。
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