人生を「勉強→仕事→老後」と大きく3つのステージに分けると、50代は「仕事」の後半戦。収入のピークを迎えるものの、パートナーや子どもがいる場合、支出負担も大きい世代といえます。20代で結婚したAさんと30代後半で結婚したBさん2人の事例をもとに、「50代の資産形成」で注意すべきポイントについて見ていきましょう。ファイナンシャル・プランナーの三藤桂子さんが解説します。
給与は増えても「老後」が不安…“折り返し地点”の50代がムリなくお金を育てる方法【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

相談者2.世帯年収1,300万円、30代後半で結婚したBさん

 

次に紹介するBさんは、都内在住の共働き夫婦で、2人の子どもは私立高校に通っています。同い年の妻とは30代後半で結婚。40歳のときに第1子が、44歳のときに第2子が誕生しました。50代のいま、世帯収入は現在1,300万円です。

 

第2子が大学を卒業するのは、Bさんが66歳となり、夫婦の年金受給が始まったころ。Bさんの勤務先は定年が60歳のため、定年後も教育費が重くのしかかってくることになります。

 

共働きのB夫婦は収入が十分にあることから一見問題はないように思えますが、「コミュニケーション不足」に注意が必要です。計画的に資産形成をしないと、収入があっても家計が赤字になってしまうケースもあります。

 

2人で働いているから余裕があるという “安心感”に頼りすぎず、お互いがどのくらい貯蓄しているか、日ごろのコミュニケーションや家計アプリなどで把握することが大切です。

 

また、Bさんは収入を確保しながらできるだけ長く働くことを希望しています。会社員として定年まで働き続けるか、現職で培った専門スキルを活かして独立開業か……今後のキャリアについて改めて考えているようです。

 

もし新たな働き方を選択する場合にはキャッシュフローが変化するため、制度や公的な保障をチェックしながら、必要に応じて保険の見直しなどを検討するとよいでしょう。