(※画像はイメージです/PIXTA)
株価と「黄金比」の意外な関係

4メートル。これは、宮崎県の小学校で児童が育てたひまわりの高さです。テレビの映像で見たそれは非常に立派で、大輪は校舎2階部分で太陽に向かっていました。
さて、ひまわりの種はらせん状に実りますが、これはオーム貝の巻き方と同じでとても神秘的です。これらにはいわゆる「黄金比」が隠されていて、自然界のみならず、パルテノン神殿やピラミッド、凱旋門などの建造物にも見ることができます。黄金比は1:1.618ですが、この1.618は次の数列から導かれます。
0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377……
これは「フィボナッチ数列」と呼ばれ、1+1=2、1+2=3、2+3=5、3+5=8……というように、前の2つの項を足したものが次の項にきます。一見なんてことはない数列ですが、ここからが不思議なポイントです。21÷13=1.615、34÷21=1.619、55÷34=1.617、89÷55=1.618、144÷89=1.617……というように、隣り合う〈右の項〉を〈左の項〉で割ると、その答えは限りなく「1.618」に近づきます。
世の中でもっとも安定していて美しいといわれる黄金比は、いろいろな場面で応用されています。それは、アップル社の林檎のロゴにも見られるそうです。
フィボナッチ数列の数字は、テクニカル分析における「基本数値」といわれることもあります。たとえば昨年、日経平均株価が34年ぶりに高値を更新しましたが、フィボナッチ数列のなかにも「34」があります。「そんなのたまたまだろう」という声も聞こえてきそうですが、“自然の摂理”として高値を更新すべくして更新したと考えても面白いかもしれませんね。
フィボナッチ数列からは黄金比の1.618以外にもさまざまな数字が導かれますが、そのなかに「0.382(38.2%)」という数字があります。
リーマンショックでの株価大暴落も、1年前に言い当てられていた
2008年10月。「リーマンショック」により世界中で株価は大暴落し、日経平均株価も10月28日に一時7,000円を割り込み、6,994円まで下げました。いまも当時もとうてい信じられない数字です。
ところが、この7,000円割れを1年前に言い当てていたテクニカルアナリストがいます。彼はこう言っていました。
当時、日経平均株価はまだ1万5,000円をキープしていました。「7,000円割れといったら半分の水準だ。まずありえない」と筆者は高を括っていたものの、実際に1年後、日経平均は7,000円を割れてしまったのです。
これを“偶然”ととらえるか、それとも“自然の摂理”ととらえるか……。筆者自身は、17年たったいまも偶然だと信じているものの、株価の奥深さを強烈に感じた出来事でした。
実際、リーマンショックでマーケットは阿鼻叫喚の売り物に支配され、大混乱を招きました。これまでの常識やファンダメンタル(経済成長率・企業業績・為替状況など)では計れないパニック下において、テクニカル分析は一定の効果があるのかもしれません。