相続人が遺産相続の割合に納得できない場合、一定の基準として扱われるのが「法定相続割合」です。しかし、遺言書などで遺産の分割割合が指定されていた場合、相続人の合意よりも遺言書の割合が優先されます。では、本来もらえるはずだった遺産を相続できず、納得のいかない相続人はどうすればよいのでしょうか。とある親子の事例をもとに、山﨑裕佳子CFPが解説します。※個人の特定を避けるため、登場人物等の情報は一部変更しています。
(※写真はイメージです/PIXTA)
お義母さんには血も涙もないんですか!?…最愛の息子を亡くした79歳女性、亡き息子の嫁に「自宅をよこせ」と迫ったまさかの理由【CFPが解説】
CFPの解説…法定相続人とは
遺産相続は、法定相続人全員が合意できれば相続割合は任意です。しかし、合意ができない場合には、民法に定められている法定相続割合を一定の基準とすることができます。
民法では、配偶者は常に相続人となり、以下、相続人の範囲を次のように定めています。
第1順位:死亡した人の子(子が死亡している場合、孫など直系卑属)
第2順位:死亡した人の父母・祖父母(直系尊属)
第3順位:死亡した人の兄弟・姉妹(兄弟姉妹が死亡している場合、姪・甥)
第2順位以下は、上位に該当する人がいない場合に相続人になります。遺言書などで遺産の分割割合が指定されている場合は、法定相続割合に優先して指定された割合に従い遺産を分けることになります。
ただし、遺言書があっても自分の取り分が不当に少ないと感じた場合には、遺留分を侵害した相手に対して遺留分の請求を行うことができます。
遺留分権利者は、配偶者、子です。子がいない場合は直系尊属(親・祖父母)も遺留分権利者となります。兄弟・姉妹には遺留分はありません。
山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表