料理をする余裕がない。そんなときついつい頼ってしまう食べ物があります。しかし、そんな「手間のかからない食事」が肥満の原因になっているかもしれません。肥満・脂肪肝の専門医である尾形哲氏の著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術【増補改訂版】』(KADOKAWA)より、40代女性の事例をもとにみていきましょう。
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満足感を味わいながら食欲を抑える…“ストレスフリーなダイエット”を助ける「心強い一品」の正体【医師が解説】
簡単に作れる野菜スープが減量の味方
「お弁当を野菜たっぷりのスープにすることをおすすめします。真理子さん、スープジャーをお持ちですか? 広口の保温容器です。このジャーのいいところは、時短でスープが作れるところです。例えば、一口大の野菜にコンソメと切ったとり肉を入れて火にかける。沸騰させた状態でジャーに入れると、60℃くらいで中の温度がキープされるので、半煮えでジャーに入れても、昼にはすべての具材に火が通ったスープになっていますよ」
確かにそれなら手間も減るだろうし、罪悪感に苛さいなまれながら食事をするより精神的にもいいだろう。
「夜勤のときには、出勤前の食事のときにスープを作ってしまって、夜勤に持っていくといいでしょう」
そのほかに先生は冬ならではの鍋物もおすすめだと教えてくれた。白菜や春菊、大根、にんじん、しいたけやしめじなどのきのこ類も入れた鍋なら、お腹いっぱいに食べても大丈夫だと。
また、通常ビタミンCは加熱すると壊れてしまうが、野菜に含まれるビタミンCはスープを汁ごと飲めば摂れるという。
「野菜をたっぷり摂って肝臓に負担のかからない食べ方を続ければ、脂肪は肝臓から落ちていきますから健康にもなるし、体重にもきっと変化が表れますよ」
〈先生からの処方箋〉
たっぷりの野菜は食欲のブレーキになる。肝臓にいい食べ方で必ず脂肪は落ちていく。
尾形 哲
長野県佐久市立国保浅間総合病院
外科部長/「スマート外来」担当医