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話し相手がいない…孤独を深める高齢者
内閣府『令和5年度高齢社会対策総合調査(高齢者の住宅と生活環境に関する調査)』によると、親しくしている友人・仲間がいるかとの問いに対し、5年前調査と比較すると、「たくさんいる」または「普通にいる」と回答した割合は72.2%→46.8%と大きく低下しました。
また人と話をする頻度についても、前回調査と比較すると、「毎日」と回答した割合は90.2%→72.5%と大きく低下しています。特に一人暮らしに限ると、80.9%→38.9%と半減しています。これらはコロナ禍の影響が大きいと考えられるものの、未だにその影響が残っていると考えられるでしょう。
孤独感を抱える高齢者が増えるなか、老人ホームにおける面会頻度はどれほどなのでしょうか。株式会社Speeeが行った調査によると、最も多いのは「月1〜3回程度」の40%であり、全体の約7割が少なくとも月に1回は面会に訪れています。一方で「半年〜1年に1回」も8.8%と一定数います。物理的距離があって面会が難しいケースも多い一方で、千代子さん/浩二さんのように、近所に住んでいながらも足が遠のいてしまうケースもあるでしょう。
面会が容易な距離なのに全然来ない——
そのような状況のほうが、孤独感は深くなるのかもしれません。
「正直、母のことをおざなりにしていたことは認めます。しかし、赤の他人に100万円なんて……このままでは『全財産を拓也に』なんて言い出しかねません。母の財産は父から継いだものでもある。ほんと、『ふざけるな!』って話ですよ。絶対それだけは阻止しなければなりません」
[参考資料]
内閣府『令和5年度高齢社会対策総合調査(高齢者の住宅と生活環境に関する調査)』