残価設定型クレジット(通称・残クレ)について、世間では「デメリットが多いサービス」とする否定的な意見も少なくありません。ただ、世間で言われるようなデメリットだらけのサービスであれば、はたしてここまで普及するものでしょうか。そこで今回、あえて残クレを利用する40代夫婦の事例をもとに、残クレ利用者の実態をみていきましょう。※個人の特定を避けるため、登場人物の情報は一部変更しています。
残クレで後悔する人は自業自得でしょ…手取り月収50万円・貯金1,300万円「残クレ肯定派」夫婦の言い分【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

自分にとってのメリット・デメリットを慎重に吟味して

なお、残クレは走行距離や車の扱い方には注意が必要です。場合によっては節約のつもりが逆効果になることもあり得ます。ただ、ライフサイクルに合わせて車を乗り換える前提で考えるなら、残クレが合理的な選択肢になる場合も十分にあり得ます。

 

また、残クレを利用することで「3年後にまた見直せる」という柔軟さが得られることも大きなメリットです。これからのライフステージを見通すのは難しいもの。子どもが高校に進学すれば、ますます教育費は膨らみ、家計の優先順位も変わってくるでしょう。そうしたなかで、あえて車を「期間限定の資産」として考える発想は、時代に合った方法といえるかもしれません。

 

子どもが小学校を卒業すると、車の利用機会は確実に減っていきます。

 

それでも、「いざという時に車がないと不安」という人は多いです。その不安を軽減しつつも家計を守る方法として、残クレという選択肢は検討する価値があるでしょう。

 

車は「所有が当たり前」の時代ではなくなってきています。教育費とカーライフのバランスを取りたい家庭にとって、残クレは単なるローン商品ではなく、家計を守りながら人生を豊かにする手段にもなり得るのです。

 

 

石川 亜希子
AFP