(※写真はイメージです/PIXTA)
「経験」と「得意」を“因数分解”することで、8つもの複業をこなす50代Tさん
Tさんは会社員を卒業し、現在8つもの複業をしている多才な方です。
1.複業してよかったと思うこと
「自分の全体像がわかる瞬間に出合いました。複数の仕事を何年もやっていると、不思議なことに、すべてが統一された瞬間を感じることがあります。自分の全体像が初めてわかる感覚です。複数仕事をもつことは、それだけつながりが広がり、世界が広がることをイメージされると思いますが、実は逆です。仕事が1つだけということは、この世界にある自分の全体のなかの1つだけしか感じられていません。だから自分がちっぽけに見えるのです」
2.複業して苦労したこと
「人から中途半端だといわれたり、思われたりすることです。専門でやっている人よりもスキルが上でも、複数のなかでの1つのスキルだと思われると、『たいしたことない』と判断されるようです。その思い込みを避けるためにどうするか工夫するのに苦労しています」
3.これから複業したい人へのアドバイス
「複業が見つからない方におすすめな方法です。自分の『やってきたこと』『できること』を細かいスキルに因数分解しておくと武器1になります。『好きなこと』『得意なこと』も細かいスキルに因数分解しておくと武器2になります。目のまえの困りごとを解決するのに役立ちそうな武器1と武器2をバランスよく使って活動していると、その活動自体が自然と複業になっていきますよ!」
個人事業主としての経験が、“次の世界”への転機に…〈会社員×複業〉を続ける50代Tさん
最後は現役バリバリ会社員で複業中のTさんです。
1.複業してよかったと思うこと
「50代になって失いかけたアイデンティティを取り戻せたことに尽きると思います。会社のなかでは30代や40代の優秀なメンバーの台頭から自分の相対的価値低下を感じ、つまらない社内政治で保身しがちな状況でした。複業を通じて、自分を必要としてくれる環境で自分の力を発揮し、喜んでいただけることにアイデンティティを再確認しました。周囲の能力が伸長しているだけで自分が役に立たなくなったわけではない、ということです」
2.複業して苦労したこと
「本業とのスケジュール調整に苦労しています。複業により貢献しようと思うと、ミーティングなど平日のオンタイムに入るケースもあり、本業のスケジュールとバッティングしないよう日々調整しています。また、コロナ禍のリモート環境で複業をはじめたので、アフターコロナのなかで出社回帰が進み、時間を捻出することがより難しくなっています」
3.これから複業したい人へのアドバイス
「複業を通じて事業所得を得る経験をすることがいちばん大切だと考えます。個人事業主となり、事業所得として売上計上し、経費を使いこなして確定申告をする。この一連の流れが、会社員として給与所得しか稼いだことがなく、確定申告をした経験もない方が次の世界に触れる大きな転機になると思います。この世界を知らないで50年生きてきたことを恥ずかしく思うレベルです。ぜひ事業所得の世界を経験することを目指して一歩踏み出してみてください!」