40代、50代は、人生の転換期。親の介護が現実味を帯び、自身の健康にも不安を感じはじめ、定年までのキャリアやその先の生活について考えを巡らせる――そんな時期ではないでしょうか。こうしたライフイベントの変化には、必ず「お金の手続き」が伴います。健康保険、介護保険、年金、雇用保険……。複雑に見える制度ですが、正しく知って活用すれば、万が一の時にあなたや家族を支える心強い味方になります。本記事では、河原優美子氏の著書『知らないと損する!お金の手続き』より、40歳以降受け取れる「国からのお金」とその条件についてみていきましょう。
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40歳になると「健康保険料」が上がるワケ

40歳になったとき、健康保険料が高くなったと思いませんでしたか? これは介護保険料も引かれるようになったためです。あなたの両親が高齢になり介護が必要になったとき、その必要な保険をみんなで助け合う仕組みになっています。

 

介護保険制度がないときは、家族が親の介護をすべて見なければいけません。核家族化や少子高齢化が進み、介護が必要になった高齢者を社会全体で支える仕組みになっています。40歳代になると親の介護が必要になってくる世代になります。そのため40歳から健康保険料と介護保険料を支払うようになりました。

 

なお、介護保険料を支払うことになった40歳以降、あなたが特定の病気(認知症や関節リウマチなど加齢との関係性が認められる病気など)になったときは、要介護認定を申請すれば介護保険制度を使うことができます。

ケガや病気になって働けないときに受け取れるお金

ケガや病気(仕事中の事故によって労災と認められたケガや病気以外)になったときは、少しの休みなら有給休暇で会社を休むこともできます。入院や手術となり長期期間休まなくてはならなくなった場合は、健康保険から傷病手当金が受け取れるのです(1年6か月)。仕事中に起きた事故が原因でケガや病気をしたときは、労働災害補償保険(労災)から受け取ることになります。

 

ケガや病気で働けない状態になり、障害等級(1級から3級)に該当した場合は、障害厚生年金を請求できます。国民年金加入中(自営業やフリーランス、パートやアルバイトなど)のときは障害基礎年金1級から2級になりますので、その際は年金事務所や専門家(社会保険労務士)に相談してください。

 

そのほかにも市区町村役場では、身体者障がい者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳・などを発行しています。税金の軽減措置、医療費の軽減、など(補助・福祉制度)を受けられる制度です。